2017年06月18日

マッキンゼーの知恵 (94)

【 マッキンゼーの入社試験問題 】
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 ケースインタビューの目的 − 経営コンサルティングファームがケース・インタビューを行う目的は次のようなものです。

 − あなたの分析力を試す
 − 論理的な思考能力や、自分の考えをうまくまとめる能力を試す。
 − あなたの思考プロセスを見極める
 − あいまいな状況や、膨大な量の情報に直面したときに、辛抱強く対処する能力を試す
 − プレッシャーがかかる状況下での落ち着き、自信、コミュニケーションスキルを評価する。
 
  典型的な問題の例としてマーケットサイジングがあります。

 − 日本にはガソリンスタンドがいくつあるか
 − 日本では毎年、何本の水撒きホースが売られているか
 − 日本では毎年、何枚のトランクスが売られているか。
 − ボーイング747の重さはどれくらいか。

 どれも似たような問題に見えるかもしれませんが、4つとも異なるものです。これらに関する正しい答えというのは全く存在しません。仮に正しい答えを読んだことがあったとしても、面接官はそんなことを気にしません。

  彼らが知りたいのは、あなたがいかに論理的に答えを導くかということです。
また、マーケットサイジング問題では仮説を立てることがすべてです。あなたが立てた仮説があまりにも現実から離れていれば、面接官は指摘してくるはずです。

 そして、計算過程では常に切り上げたり切り下げを行って、計算しやすい数字を用いるようにする。

 試験問題: 日本にガソリンスタンドはいくつあるか? 人口ベースの問題。

 私は現在、人口3万人の町に住んでいますが、私の町には6つのガソリンスタンドがあります。したがって、人口5千人あたりに1つのガソリンスタンドがあると仮定します。
日本の人口を120百万人とすると、日本全体では120百万÷5千=24,000のガソリンスタンドがあると考えられます。

 【 戦略コンサルティング・ファームの面接試験 】
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2017年01月02日

マッキンゼーの知恵 (93)

 “信じられないほどプラス思考を持つ女性たち”

 産婦人科医師からハーバード大に留学して修士号を取り、マッキンゼーのコンサルタントとして活躍した富坂さんが語ります。マッキンゼーでの働き方です。

 マッキンゼーでは入社させてからじっくり育てようなどという考え方ではありません。各分野のプロフェッショナル達を雇い、それぞれに十分な結果を求める。結果が出せなければすぐに雇用は打ち切られる、という厳しい世界です。

 契約を交わした社員は自らのキャリアを磨き、マッキンゼーの方では社員の力で利益を上げる。要するにWin-Winの関係が成立しているのです。

 そのかわり、どちらか一方がマイナスに働いたときは、その雇用契約は打ち切りになります。

 マッキンゼーには Obligation to dissent (異議をとなえる義務) という言葉があります。おかしいと思う意見をスルーすることは、社員としての「義務の不履行」になるのです。

 そこで働く女性たちはみな一流の思考方法とプロ意識を持っていました。
プロフェッショナルというのは、何も専門性のことばかりではありません。医師であるとか弁護士の資格を持っているとか、そういう目に見えるものだけではない。資格を持っているからプロフェッショナルということでもない。

 ほんとうの意味でのプロフェッショナルとは、この仕事だけは誰にも負けないという自信を持っているものです。

 誰しも得手不得手があります。すべての仕事を完璧にこなすのはなかなかできません。
ならば自分が得意な分野を努力して伸ばしていく。そしてその分野でのプロフェッショナルになっていく。そんな発想法を持っています。

さらには、信じられないほどのプラス思考を彼女たちは身につけていました。そして、彼女たちは非常に強い。これは一流の女性たちに共通していることだと思いました。

 誹謗中傷はあって当たりまえ。いちいちそんなことを気にしていたら仕事なんてできません。実際に仕事の足を引っ張るような実害が襲ってくるまでは無視しておく。そのかわり、実害を及ぼすような事態になれば徹底的に戦う。なんとも潔い姿勢です。

この強さは、 「気にしない力」ともいえるかと思います。誹謗中傷まではいかなくても、ちょっとした陰口などはどこにでもあります。少し目立つような仕事をすれば、引きずり降ろそうとする人も出てきます。

 それはどんな世界もいっしょです。そんな相手を気にしていたのでは、何も先には進みません。適切で有用なアドバイスには耳を傾ける必要がありますが、陰口など相手にしないことです。

「気にしない力」 ということで言うと、一流の女性たちは常に堂々としています。
「今の発言は間違っています。もう少し正確な知識を身につけてください。」などと、皆の前で間違いを突いてくることもあります。

そこで顔色を変えたり、動揺したりすると相手の思うつぼ。彼女たちは、そんな嫌がらせのような言葉にも動じません。
「そうですか。間違っていたなら訂正しますね。」と笑顔で切り返して、それでおしまい。気にすることなく話を続けます。ちょっとした間違いなど、いちいち気にする必要はないのです。恥をかくことなど気にもしない。そんなふうに堂々としていることで、恥も恥ではなくなっていきます。

 
 (引用: ハーバード、マッキンゼーで知った一流に見せる仕事術 富坂美織)

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2016年04月10日

マッキンゼーの知恵 (92)

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 “論理的思考は訓練すれば必ず身につけられる”
 − 結論に確信が持てるまで足を棒にして現場を歩け

  個々の現象の対処法を考えることよりも、 “何が現象で、何が真の原因か” を明確にすることが大切であるといことは前に述べた。

 では、原因を明確にするにはどうしたらいいか。まずは、データの収集と分析をきちんとやることだ。

 仮に、売上が低迷しているある営業部があったとしよう。こうした場合、
「 もっと訪問件数を増やせ」
「 既存客のフォローを怠るな」

 
などと、あれこれ要求するトップは少なくないが、そうしたトップは明らかに因果関係に基づいた思考プロセスを怠っている。

 私ならまず、売上が伸びないのは、新規客を獲得できていないからか、それとも既存客を失っているからか、それを分析する。

 その結果、新規獲得客の減少が問題だとわかったら、今度は、新規客を獲得できないのは、訪問件数が減っているからか、それとも成約率が低いからかを、データで探っていく。

 成約率が低いとわかったら、製品の質や価格が問題なのか、それとも営業マンの売り方が悪いのかを調べる。具体的には、営業マンごとの成績をみる。

 その結果、「成約率が5割以上の人も少なからずいる」 ということであれば、商品が悪いわけではないことがわかる。

 ただ、この段階はまだ仮説にすぎない。次に、現場に出て行って最前線で働くひとたちの声を聞きながら、その仮説の正当性を検証することが不可欠だ。

 先ほどの営業部の場合なら、トップ営業マン、平均レベルの営業マン、売れない営業マンに並んで座ってもらって、 「どうやって売っていますか」 と質問してみる。あるいは、営業マンに同行して、どんな話をしているか、お客さんの反応はどうかを観察する。

 私は、「これで間違いない」 という確信が得られるまで、こうしたフィールド・インタビューをしつこく行う。オフィスでデータを見ながら結論を出すことはできない。

 求めているデータが本当に存在していることなどまれだからである。通常の社内データは、ルーチン業務(定型業務) のモニターや仮説を生みだすときには役立つが、解決策を生み出すために平素からデータを取っていることは極めて少ない。

 “抽象的な解決策は一文の価値も無い”


 先ほどの営業部のケースで、あきるほど仮説と検証を繰り返した結果、「売り上げが低迷しているのは、商品ではなく売り方が悪いからだ。しかも、営業マンのトレーニングに問題がある。」 という結論が見えたとしよう。

 しかし、 「営業マンの教育に力を入れるべきである」 などと提案するのは2流のコンサルタントである。私なら、トレーニング方法からメンバーの選定、社内の体制づくり、参考となる社内外の講師までを解決策として提案する。

 具体的な解決策を提案しなければならないのは、ビジネスマンも同じだろう。
「このボタンを押すだけですよ」 というところまで具体化しなければ、成果にはつながらないのである。

 “論理的思考は訓練すれば必ず身につけられる”

 論理的思考の手順が、少しはおわかりいただけたと思う。だが、わかっただけではダメ。肝心なときに使いこなさなければ意味が無い。そこで日頃のトレーニングが必要になってくる。

 私が若い頃にやっていたのは、(薄い青色の)方眼紙を使って、アイデアや考え方を整理するというものだ。

 このときのポイントは、かなり大き目の紙を使うこと。紙の左下から右上に向かって書いていくことの2点。

 通常は、横書きなら左上から右下に向かって書くだろうが、私の書き方は普通の人とちょうど逆さまということになる。なぜわざわざこんなへそ曲がりの書き方をするのかというと、このほうが普通じゃない分、脳に余計な刺激を与えるからだ。

 それに、このやり方だと、左下から書き始めた文字が上に向かうにしたがって、だんだん考えもまとまり、右端に結論を書くころには、そこを頂点としたピラミッドが出きているのだ。

 これを見れば結論に至る思考の流れがひと目でわかる。とくにクライアントの話を。。。
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2016年03月20日

マッキンゼーの知恵 (91)

 − 解決策を探る前に根本的な原因を探れ

 「 目に見える『現象』 にばかり気をとられ、それらの背後にある根本的な 『原因』 を把握できていない。そんために、まったくの筋違いの解決策を提言してしまう」 という失敗パターンも、じつに多く見受けられる。

 たとえば、主力商品の営業成績が低迷しているので、会議で売れない理由を話し合ったところ、 
「競合に比べて商品力が高い」
「価格が高すぎる」
「営業マンのモチベーションが低い」

 といった声が挙がったとする。

 このときやりがちなのは、「商品の質を上げ、価格を安くし、営業マンのヤル気を鼓舞するために決起大会を開こう!」 などというように現象の逆さまを解決策として対処することだ。

 このやり方では絶対に問題は解決しない。それどころか、高品質かつ低価格にすれば収益低下という新たな問題が発生するなど、どんどん負のスパイラルに陥ってしまう。

 このように 「とにかく問題と思われることを全部ピックアップして、それぞれの対処法を考えれば、問題は解決するはず」 という考え方は、論理的思考どころか、私から見ればほとんど思考停止状態に近い。

 政府の経済戦略会議や審議会などのやり方は、大半がこの程度のもので、いままでに成果が挙がっていないのは、無責任なお偉いさんだけ集めて、やっているフリをして時間つぶしをなりわいとする官僚が事務局をやっているからだ。

 正しい解決策を導くためにも、もっとも大切なことは、 「その問題の原因のさらなる原因は何か」 を、まず明らかにすることである。

 なぜなら、さまざまなかたちで噴出している 「現象」 (結果) も、もとをただせば一つか二つの 「原因」 から生じている場合が多く、この根元的な原因が解決できれば、そこから派生している現象はおのずと 消えていくからだ。

 逆に、いくら現象に対処療法を施したところで、根本的な原因が放置されたままなら、いつまで経っても問題解決には至らない。

 先の営業会議で、まずすべきこととは、解決策を探ることではなく、
「何が現象で、何が真の原因か」 を明確にすることだったのである。

 (つづく)

 【 「一生食べていける力」がつく 大前家の子育て − 大前研一著 】


 【 マッキンゼー式 世界最強の問題解決テクニック イーサン・M・ラジエル 】


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2016年03月06日

マッキンゼーの知恵 (90)

 − 論理的思考 & トレーニング

 論理的思考法とは、文字どおり、いま目の前で起こっている問題の解決策を論理的に考え出す手法のことだ。具体的には以下の順番で進める。

 1. データ収集と分析を行い、当事者などとの面談(Inquisitive Interview) を通じて、問題の所在と解決策に関する仮説を立てる。

 2. その仮説が正しいかどうかを、データ分析やフィールドワークなどで検証。これしかないという結論に到達するまで、それを何度も繰り返す。

 3. 結論が得られたら、そこから具体的解決策を導き出す (これには、行動計画書と、それにともなう 「ヒト、モノ、カネ」 などの経営資源の裏打ちがなくてはならない。) これだけのことだ。
 
 だがこれだけで、私は30年間も飯を食ってこられたのである。これがどういうことか分かるだろうか? 日本のビジネスマンの多くは、何か問題に直面すると、その解決策を筋道立てて考える方法を知らないのである。

 そのために、「思いつき」 や 「経験則」 に従って対処することしかできない。

 いまの大企業では、トップの指示を待って、それを実行するだけ、という無責任な管理職がまんえんしている。もちろん、霞が関の中央官僚も同じ病気に毒されている。

 いや、論理的思考といえるほど立派なものではないが、自分はまずまず物事を論理的に考えているつもりだ−。

 そういう人もいるかもしれない。しかし、こういう人はまず間違いなく、自分が思っているほどに物事を論理的に考えていないものである。

 本人は論理的に考えているつもりでも、おそらくは理屈とか、思いつきレベルでしか考えていないのである。

 次に、よくありがちな失敗パターンを採り上げながら、論理的思考方法のポイントを紹介していこう。

 “仮説と結論を混同するな!”

 まずもっとも多い失敗パターンが、 「仮説にすぎないことを、結論と思い込んでしまっている。」 というケース。

 たとえば、ある雑誌の編集部が、販売低迷を打破すべく、読者アンケートを行ったところ、若年層からの回答が少なかったとしよう。

 このとき、 「雑誌が売れないのは若年層の読者が減っているからだ。若年向けの企画を充実させよう。」 などと考えるのが、仮説と結論を混同させてしまっている典型だ。

 データを基に導き出した解決策なのだから正確に違いない、と当の本人は思っているのだろうが、それは大きな勘違いである。

 「若年層の読者が減っている」 というのは、あくまで仮説であって、結論ではない。その仮説が正しいことを証明するためには、さらにそれを裏づける調査や分析をする必要がある。

 あるいは、20代の人はそもそも雑誌を読まなくなっている、という結果が出れば、誌面を若者向きにしたところで、購買読者が増える、ということにはならない。

 一方、もし分析の結果、たしかに若年層の読者が減っているが、 「20代の女性読者はむしろ増えている」 ということがあきらかになったとしよう。

 そうしたら、「もっと20代女性を意識した誌面づくりをすべきではないか。」 という新たな仮説を立てて、それをまた検証する。結論と言うのは、そういう 「仮説→検証」 の繰り返しを経て、最後に到達するものだ。

 基本的なことだが、仮説を裏付ける証拠収集や、ほんとうの結論に至るまでの論理的思考がきちんとできている人は、きわめて少ない。

 (つづく)

 【 稼ぐ力 − 「仕事がなくなる」時代の新しい働き方、大前研一 】


【 マンガで読める マッキンゼー流「問題解決」がわかる本 】


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2015年12月27日

マッキンゼーの知恵 (89)

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「知的にタフな人にとっては夢のような時代が始まった。」 大前研一

“人の2倍考える人間は10倍の年収を稼ぐことができる。3倍考えれば100倍の年収を稼ぐことができる。もし10倍考えることができれば、その人は時価総額1兆円企業の創業者になれる”
 
 自分の思考ノウハウをまとめた『考える技術』がベストセラーとして売れた大前研一氏。30年間で行った数千件のコンサルティング経験をもとに生み出されたその思考ノウハウは、どんな仕事にも有益だという。

 ここでは、「考える力を持った人材」が求められるようになった時代背景を伺うとともに、思考ノウハウを伝授して頂く。海外における大前氏の講演料は1回5万ドルである。そのノウハウはどこにあるのか?

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 新世界では、いったい何を頼りに生きていけば良いのだろうか? 何もない。
私たちが上陸してしまった “新大陸” は、こうすればうまくいくという正しい答えをだれも知らない。

  「インビジブル・コンチネント=見えない大陸 (『新・資本論』大前研一著) の英文タイトルなのだ。

 わかっているのは、これまで私たちが経験したことがないくらいに猛スピードで変化が進む世界だということと、その変化のスピードについていかなければ、あっという間に振り落とされるということくらい。

 かつて興隆を誇った大企業でさえ、ひとたび乗り遅れれば、坂道を転げ落ちるように市場から消えていく。あなただってそういう例を、ここ数年でいくつもみてきているはずだ。

 ハーバード・ビジネススクールが、ケース・スタディで使っている企業ですら、わずかこの数年で半分が潰れたり、吸収されているという事実を、あなたは知っているだろうか。

 ということは、エコノミストや経済学者が言っていることをうのみにして、「〇〇のフレームで考えると」 などと言っている輩が、じつはいちばん危険だということだ。

 頼れるものがなければ、自分の頭を頼るしかない。教室でだれかに答えを教えてもらおうとする “アカデミック・スマート (学校秀才タイプ)” を止め、現場で試行錯誤を繰り返しながら自分で答えを見つける “ストリート・スマート (前例が無いところでチャレンジする実学重視のタイプ)”をめざそう。

 それには、古い知識をいくら暗記しても仕方がない。それよりものをいうのは、人よりどれくらい現状に即して考えたかのほうだ。

 「思考力格差」 の時代はすでに始まっている。今後は、人の二倍考える人間は十倍の年収を得ることができる。もし十倍考えることができれば、その人は時価総額一兆円の創業者になれる。

 マイクロソフトの時価総額は41兆円、グーグルの時価総額も36兆円を超えている。それが “新・経済大陸の法則” だ。知的にタフな人にとっては夢のような新大地だが、一方で知的に怠惰な人にとっては、息をすることすらツラい世界かもしれない。

 とはいえ、「考えろ」 といわれても何をどうしたらいいかわからない、というビジネスマンも少なくないだろう。そこで、私の「考える技術」を紹介しよう。大前流論理的思考法。これを実践すれば ...

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 (つづく)

【 新・資本論 − 大前研一 】



 【 考える技術 − 大前研一 】


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2015年12月20日

マッキンゼーの知恵 (88)

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 “人の2倍考える人間は10倍の年収を稼ぐことができる。3倍考えれば100倍の年収を稼ぐことができる。もし10倍考えることができれば、その人は時価総額1兆円企業の創業者になれる”

 「頭脳という武器を磨き “新大陸の覇者”となれ。」 大前研一


 自分の思考ノウハウをまとめた『考える技術』がベストセラーとして売れた大前研一氏。30年間で行った数千件のコンサルティング経験をもとに生み出されたその思考ノウハウは、どんな仕事にも有益だという。

 ここでは、「考える力を持った人材」が求められるようになった時代背景を伺うとともに、思考ノウハウを伝授して頂く。海外における大前氏の講演料は1回5万ドルである。そのノウハウはどこにあるのか?

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎

 “知識や過去の経験則では解決できない問題が急増”

 問題: 世界で唯一、貿易と縁のない国はどこでしょうか?
上記の問いに 「アメリカ」 と答えたら、「冗談もいい加減にしろ」と、たいていの人は怒り出すのではないだろうか。

 「アメリカが巨額の貿易赤字を抱えているのは世界の常識だし、日本だって、自動車や家電をたくさん輸出している。それなのにアメリカが貿易をしていないなんて、バカげている。」と。

 なるほど。では、もう一つ質問しよう。日本の自動車や家電を買うとき、アメリカはどの通貨で支払うか。

 答えはドルだ。アメリカは相手が世界中のどの国でも、輸入品の支払いはドルで行うし、輸出の際もドル建ての決済が普通だ。だからアメリカと取引をする国は、日ごろからドルをせっせとため込んでおかねばならない。

 ところが、アメリカだけはその必要がない。当たり前だ。ドルはアメリカの自国通貨なのだから。

 アメリカという国は、いつだってなんの苦労もなしに、自国通貨で世界中とモノやサービスの取引ができる。つまり、ドルが基軸通貨であるかぎり、相手が日本だろうが中国だろうが、アメリカにとっては国内取引と変わりないのである。

 事実、アメリカは輪転機を回すだけで世界中の財貨を買うことができる。海外から買うのも、ほかの州から買うのも同じ。すなわち、アメリカがドルを世界の決済通貨として維持できるかぎりは、すべての交易国を「内国化」できるわけだ。

 逆の言い方をすれば、アメリカは世界を自国通貨圏に取り込んでいると言ってもいい。
私が、アメリカが世界で唯一、貿易(輸出入)と縁がない国だという根拠はここにある。

 この問題に対し、もし自給自足の国はどこだろう、鎖国をしている国はどこだろうと、世界地図をにらんでいるようなら、アメリカという答えは絶対に出てこない。そもそも、これだけグローバル化が進んだ時代に、他国と財貨やサービスのやりとりをしないで成り立つ国なんてあるわけがない。

 そう、この質問の意図は、「どこを調べても答えが載っていないような問題」 に対して、あなたがどれだけ柔軟かつ論理的に対応できるかを試すことにあったのだ。

 教科書を読んで答えを暗記する訓練ばかりしてきた人は、面接でこの手の質問をされるとお手上げだろう。そしてそういう人は、これからどんどん淘汰されていくと思った方がいい。

 今、企業が求めているのは、答えを暗記するのがうまい人ではなく、知識や過去の経験といったものが通用しない問題に直面しても動じず、きちんと正しい答えを導き出せる人だからだ。

 そして、そうした人材になれるかどうかは、「論理的思考」が出来るかどうかにかかっている。言い換えれば、21世紀というのは、未知の問いに論理的思考で答えていけるビジネスマンだけが勝ち残れる時代だということだ。

 ではなぜ答えを暗記しているだけではダメなのか。理由は簡単。暗記できる程度の知識なら、廉価なメモリーチップか、無料のグーグルで間に合うからだ。

 また、経済学やビジネス理論にしても、暗記しようにも、世界経済が1980年代にガラリと変わったことで、その知識や常識がまったく通じなくなってしまった。

 それまでは、経済といえば 「実体経済」しかなかったところに、「ボーダーレス経済」 「サイバー経済」 「マルチプル経済」 という3つが加わって、これら4つの経済空間が複雑に絡み合うようになったのだ。

 「ボーダーレス経済」 空間では、お金や情報が国境を越えて自由に流通する。政府の景気刺激策で国内企業の供給が増えても... ここから先はメルマガ ”熱血日記” を購読してお楽しみ下さい。
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 (つづく)

 【 マンガで分かるマッキンゼー式ロジカル・シンキング 】



 【 マッキンゼー 経営の本質 意志と仕組み 】


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2015年08月30日

マッキンゼーの知恵 (87)

『 お金の取れる頭脳ノート 』 大前研一が、日本を代表する経営コンサルタントとして活躍してきた陰には、ノート術があります。そんな秘密の技をご紹介します。

  “巨大方眼紙には左下から右上に書く”

 思考を整理するノートとは別に、マッキンゼー時代から何か新しいことを考え出さなければいけないときに使っていたのが、方眼紙のような網目が入った大判の特製用紙だ。これはもともとマッキンゼーが使っていたツールではなく、私が開発して作らせた特注品。欄外の余白には 「so-What」 「MECE」 「Zero-based Thinking」 などいいアイデアを出すためのマッキンゼーの呪いのジャーゴン(業界用語) を薄い文字で入れた。

 思考のキャンパスのようなものだから、文字を書き込もうが絵を描こうが自由である。ただし、私はこれを左下から右上に向かって横書きで使う。

 通常のノートは罫線に沿って左から右、そして上から下に横書きで使う。しかし、きちんとノートを使うというのは言語や論理を司る作業であり、直感、創造、洞察といった右脳の働きを刺激しない。まともにノートを使っても、なかなかいいアイデアは出てこないものだ。

 夜汽車に乗ったとき、必ず私は進行方向に向かって左側の席に座ってものを考える。夜汽車だから窓の外の景色はほとんど見えない。電灯の光が時々走馬灯のように過ぎてゆくだけ。

 しかしその電気信号のような刺激を左目が感知しているときに、ひらめくことが多い。

 同じ夜汽車でも右側の席ではさっぱりだし、昼間の電車や飛行機ではまるでひらめかない。何かひねり出さないといけないときは、夜汽車の左側の窓際を陣取るに限る。

 あくまで経験則であり、脳科学的な裏付けがあるわけではないのだが、右脳を働かせるには左目に刺激を与えることが大切だと私は思っている。だから左目で見て右側の空間に向かって発想が広がっていくように、この巨大方眼紙でも左下から右上に向かって書くのだ。

 マッキンゼー時代は 「アイデアを出すときはこれを使え」 と推奨していたが、どうせ私がいなくなれば誰も使わないだろうということで、辞めるときに用紙も全部一緒に持ってきた。

 現在もBBT(ビジネス・ブレイク・スルー)バージョンを作って、じっくりと考えるときに活用している。

 BBTで私とミーティングする際、社員は私の部屋に呼ばれて、この白い用紙の上でたっぷり頭を絞られることになる。もちろん録音機も同時に回される。

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 (つづく)

【 企業参謀 − 戦略的思考とは何か、大前研一 】

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2015年05月24日

マッキンゼーの知恵 (86)

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『 お金の取れる頭脳ノート 』 大前研一が、日本を代表する経営コンサルタントとして活躍してきた陰には、ノート術があります。そんな秘密の技をご紹介します。

 “IBMのパソコンを変えたメモ”

 振り返れば思い出深いメモもある。写真は1984年にIBMのパーソナルコンピュータ(PC)に開発の総責任者だったドン・エストリッジと会ったときのメモだ。

 80年代初頭、大型汎用コンピュータで世界一だったIBMはアップルが大きく先行していたPC市場への本格参入を決め、ドン・エストリッジ率いるチームがPC開発を担当することとなった。

 このとき日本のエレクトロニクスメーカーのやり方を大前研一から学べということで、エストリッジが私のところに相談にやってきたのだ。

 実は彼に新しいPCのコンセプトをいくつか提示したうえで 「PCの基幹部品やOSは自分のところでつくろうと思うな。買ってきておもちゃみたいにつくれ」 とアドバイスした。当時のIBMでは基幹部品やアーキテクチャはすべて内製するのが常識だったが、エストリッジは既製品のパーツを買い集めることできわめて短期間でIBMPCの第一号を作り上げた。

 チャップリンを広告に使った初代のPCは爆発的にヒットした。しかし徐々に売り上げが落ちてきて、第二弾をどうするかという話になり、再び私のところに連絡がきてエストリッジと会うことになった。写真のメモはそのときに彼に言おうと思っていたことを書き出したものだ。

 IBMはテクノロジーカンパニーと称しているが、素人さん相手に商売するのがPC。技術の高さを前面に押し出すのではなく、ユーザーから見てなるほどと思うような使い勝手のいいアプリケーションを内蔵していなければユーザーの支持は得られない。そこを考えて設計しているのか−-。そんなディスカッションをしながら、新しいコンセプトを提示したことを覚えている。

 エストリッジと私は電話一本で話が通じる仲だったが、エストリッジのチームはIBMの伝統的なラインからは嫌われていた。本社から遠く離れたフロリダ州 ボカラトンの事務所で、ヒゲ面に草履ばきというヒッピースタイルでIBMの常識を覆すような仕事をしていたからだ。

 このミーティングの後、ニューヨークでもう一度会う約束になっていたが、1985年の夏、エストリッジは飛行機事故に遭って帰らぬ人となり、約束が果たされることは永遠になかった。

 もう一人、マレーシアのマハティール元首相も思い出深い人物だ。私は82年から18年間、マハティール首相のアドバイザーを務めたが、本当に素晴らしいリーダーだった。

写真は85年にマハティール首相とミーティングした時のメモ。日本や韓国の経済成長に学べとルック・イースト政策を打ち出したばかりの頃だ。

 それまで天然資源や観光業に依存していたマレーシアが世界的な大競争時代を生き抜くためにはどうするべきか、マハティール首相に提言した。

 最終的には最先端のITインフラを整備した総合開発計画である 「マルチメディア・スーパーコリドー」 構想へとつながるのだが、マハティール首相がすごいのは私の提言をすべて受け入れて実行したことだ。

 首相官邸や省庁を集約した新首都 「プトラジャヤ」 やハイテク関連企業が集まるハイテク工業団地 「サイバージャヤ」 の建設も、すべて 「マルチメディア・スーパーコリドー」 構想の一環なのだ。

 マハティール首相は私のプレゼンテーションをメモも取らずにじっと聞いていた。そしてスーパーコリドー構想の実現をじゃましている法律があることがわかると即座に関係閣僚を呼んで、「こういうことができるように法律を変えろ」 「医者がそこにいなくても診察ができるようにしろ」 などと指示を飛ばしていた。

 2003年に22年間務め上げた首相の座から退いたが、その強烈なリーダーシップがマレーシアの経済発展に大きく寄与したことは言をまたない。

  “巨大方眼紙には左下から右上に書く”

 思考を整理するノートとは別に、マッキンゼー時代から何か新しいことを考え出さなければいけないときに使っていたのが、方眼紙のような網目が入った大判の特製用紙だ。これはもともとマッキンゼーが使っていたツールではなく、私が開発して作らせた特注品。欄外の余白には 「so-What」 「MECE」 「Zero-based Thinking」 などいいアイデアを出すためのマッキンゼーの呪いのジャーゴン(業界用語) を薄い文字で入れた。

 思考のキャンパスのようなものだから、文字を書き込もうが絵を描こうが自由である。ただし、私はこれを左下から右上に向かって横書きで使う。

 通常のノートは罫線に沿って左から右、そして上から下に横書きで使う。しかし、きちんとノートを使うというのは言語や論理を司る作業であり、直感、創造、洞察といった右脳の働きを刺激しない。まともにノートを使っても、なかなかいいアイデアは出てこないものだ。

 (つづく)

【 企業参謀 − 戦略的思考とは何か、大前研一 】



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2015年05月10日

マッキンゼーの知恵 (85)

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 『 お金の取れる頭脳ノート 』 大前研一が、日本を代表する経営コンサルタントとして活躍してきた陰には、ノート術があります。そんな秘密の技をご紹介します。

 (写真: IBMの天才開発技術者、故ドン・エストリッジにアドバイスした内容を数行のセンテンスに集約したノート。)

 ”1テーマ1ページで思考の流れを整理”

 私にとってノート術というのは他人の話を書き留めるためのものではない。あくまで自分の思考を整理するためのものである。

 たとえば差し迫った講演やミーティングがあるときには、早朝の1〜2時間デスクに向かって、時には風呂場やトイレで、あるいは行きがけのクルマの中で、気合を入れて今日の話の内容を考える。相手がどんな話を聞きたがっているのかを想定しながら、こちらとして言っておかなければならないことをメモにパパパッと書き出していく。

 何か一つのテーマに関して、頭の中にあるデータを取り揃えて一つの考え方の塊にする。
 
 「結論はこう。その理由はこれ、これ、これ、3つある。」というピラミッド思考が瞬間的にできるように訓練してきたから、テーマが決まればすぐに書き出すものが湧き出てくる。

 最終的な結論は何か。その結論を導き出すための論拠、そしてイグザンプルは何か。キーワードや数字、簡潔なセンテンスを交えて書き並べていく。日本語で話をする場合には日本語で、英語で話をする場合には英語で。

 ちなみに私は昔から縦書きだと頭が働かないため、すべて横書きだ。

 思考の流れを整理するのが目的だから、思いつくままにだらだらと何枚も書き連ねたりしない。基本的には1テーマ1ページ。一枚のメモに思考の塊をパッケージする。

 200万円の講演会でも500万円の講演会でも、30分の講演でも1時間半の講演でもすべて同じだ。一枚のメモで事足りる。それで、話が始まってみればいかにもその場で思いついたように話をする。

 実際、メモは手元に置いているが、ほとんど目を落とすことはない。一度話を始めれば、芋の地下茎のように考え方の塊がつながっているから、聴衆から目を離さずとも話が自然と流れてゆく。

 記憶でも記録でもない。要するに頭の中を整理するためにメモするのであって、集中してメモを書いた時点で目的は十分に達している。だからしばらく経ってから講演メモを読み返しても、何が書いてあるのかさっぱりわからなかったりする。

 “ 『企業参謀』 こそ、ノートの取り方の 「実例」”

 私のノート術の原点は中学1年生のとき。音楽の先生から、聴いた音楽のメモを取りなさいと言われたことがきっかけだった。たとえばベートーベンの交響曲第六番 『田園』 の第一楽章はどういう楽想か、それを聴いてどのように感じたか、音楽日記のようなものを書くように指導されたのだ。

 品行方正(?)な大前少年は先生の言いつけを守り、大学院に行くまでの12年間、クラシックを聴くたびに音楽日記をつけ続けた。高校ではブラスバンドに、大学からはオーケストラでクラリネットを吹いていたが、おかげでほとんどの作曲家のだいたいの作品が頭に入っている。

 日々の出来事を振り返る日記の趣味はまったくないが、音楽日記をつけるようになってから自分が考えついたことや学んで理解したことを書き出す習慣がいつのまにか身についていた。

 それを発想術や思考の整理術として仕事に本格的に活用するようになったのはマッキンゼー時代だ。
当時は20代後半。それまでの9年間、大学と日立製作所で原子力ばかりやっていたから、経営コンサルタントはまったく未知の世界だった。

 そこでマッキンゼーがどういうことをする会社なのか、経営とは何か、まず自分なりに気づいたこと、考えたことを大学ノートにメモして書きとめた。

 それがプレジデント社の編集者の目にとまって世に出たのが処女作である 『企業参謀』 (プレジデント社) である。あの本は私のつけていたメモそのものなので、ノートの取り方に関しては「実例」 なのである。

つまり他人の言ったことでなく。。。(以下、メルマガ ”熱血日記” 5月10日号より)

 (つづく)

 【 企業参謀 − 戦略的思考とは何か 大前研一 】

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2015年02月22日

マッキンゼーの知恵 (85) 

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

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  マッキンゼーから事業会社に転職 

 “転職を6つの意思決定プロセスによって評価すると”

 転職は、まさに人生における重要な意思決定を伴うものである。私は、前述した6つの意思決定プロセスに沿って自分の転職先を評価、検討してみることにした。

 @ まず、「決定事項の明確化」 であるが、これは明確であった。この時点で既に私はマッキンゼーで 「助手席に座りながら」 コンサルタント生活を続けていくより、運転席側に移りたいと強く願っていたので、とにかく今のスタッフ的役割から実業におけるラインポジションへの転職を切に願っていた。

 そのポジションは社長ではなくても、ある部門の責任者なら構わないと思った。とにかく小さな事業部でも、自分で運転する側に回りたかったのである。

 A 次に 「枠組みの決定」 であるが、私はヘッドハンティング会社からもたらされるオプションという枠の中で考えることにした。自分で事業を起業するというオプションも頭をかすめたが、今と異なり当時はまだベンチャー企業に資金提供する仕組みがあまり整っていなかった。
 
    自己資金の当てのない自分にとって起業するというオプションは現実的には難しかった。

 B 次に 「選択肢の列挙」 であるが、ヘッドハンターから頂いた6つの会社のポジションを列挙することにした。

 C 次に、「評価軸の設定」 は、転職という意志決定においては大変重要なポイントとなる。この評価軸が自分の中ではっきりしていなければ、転職という人生の重大局面において、自信を持った決定はとうていできない。

    評価軸の中でまず来るのが業種である。私は末端消費者に対するブランドマーケティングに非常に興味があり、この分野が自分の最も強みを発揮できる分野だと考えていたため、商品の売上に広告や販促、またはブランドの力が大きな比重を占める消費財を扱う業種に高ポイントをつけることにした。

 2点目の評価軸としては、組織内での機能(function) が挙げられる。第1希望はもちろん社長職かゼネラル・マネージャー職であり、第2希望が自分の経験が活かせるマーケティング職であった。

 しかしながら、この第1希望と第2希望との加点の割合は大きく異なった。なぜかというと、自分が今後のキャリアにおいてJob Hopper (頻繁に転職する人) にならないためには、次に勤める企業においてある程度の実績を残すまでは再度転職するわけにはいかない。

 なぜなら今回初めて “実業” という「結果がすべて」の世界に飛び込んでいくわけだから。そう考えると、その新しい世界にゼネラル・マネージャーとして入っていき実績を作るのと、マーケティングの専門家として実績を作るのとでは大きな違いが生じる。

 ゼネラル・マネージャーとして実績を作ることができれば、自分はその先もゼネラル・マネージャーとして労働市場から評価され、さらに飛躍していくことができるはずだが、マーケティングの専門家として実績を作ることができたとしても、その先もまたマーケターであり、ゼネラル・マネージャーへの転向には実績づくりが必要となる。

 3点目の評価軸としては、その企業の成熟度が挙げられる。私は、すでに出来上がった組織を運営していくより、一から自分で組織を作っていくことにより魅力を感じていた。また、既にある程度市場シェアを取って安定している企業より、これから成長する可能性を持った企業の方にあこがれた。

 4点目の評価軸としては、扱う商品に親しみを持てるかという点である。いくら他の条件が良くても、自分が扱う商品が心底好きでなければ、かなり味気ないビジネスライフになってしまうだろう。

 どうせ1日の大半を費やすのなら、少しでも自分に興味のある分野で仕事をしたいではないか。
 
 私は別に、金のために働いているという意識はないが、終身雇用・年功序列という世間的一般的な環境から飛び出してしまった自分にとって、自分が労働市場でいくらの価値をつけられているかということはとても重要なことである。
  
  どのような無名企業に入ろうと、ベンチャー企業に入ろうとも、またどのようなポストに就こうとも、自分の市場価値が上がっていれば、自分が正しい方向に成長していると実感でき、励みになる。

 そのためには常に自分の稼ぎ出している報酬額も、上昇していく必要がある。したがって、マッキンゼーにおける年収よりも良い条件を。。。 

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(つづく)
 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO 】


 【 マッキンゼー流 図解の技術 】
 
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2015年01月24日

マッキンゼーの知恵 (84)

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

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 “経営における運転席と助手席の違い”

 マッキンゼー生活が2年も経つと、さすがにコンサルタントとしての基本的な分析能力や戦略提案能力は身についてきた。相変わらず、週6日にわたる1日15時間労働という状況は改善されてはいなかったが、精神的にはかなり余裕が出てきて、物事を自分の言葉で語れるようになってきた。

 このままいけば、砂時計を早めにひっくり返すことができそうだという自信も生まれてきた。しかし2年目を過ぎたあたりから、私は新たな大きな壁に直面するようになったのである。それは、 「 クライアントに対するコミットメントの不足 」 である。

 コミットメントとは、一言で言えば、“誠心誠意、心から自分の努力を対象に捧げること” とでも訳そうか。平たく言うと、クライアントに対する思い入れの不足ということである。もちろん仕事の手を抜いていたわけではない。しかし、自分のどこかでクライアントに対するコンサルティングの情熱が薄れているのである。

 例えばクライアントが輸出企業だったとしよう。急激な円高になってクライアントの輸出競争力が落ちることが予想されたとしても、心底そのことを心配する気持ちが自分の中に湧き出てこないのである。ただ、冷静に対処法を考えるだけなのである。

 私の同僚に、急激な円高を耳にしてクライアントのことが心配で夜眠れなかったという者がいた。そこまで思い入れを持てるとはうらやましい限りである。

 当然、クライアントに対する思い入れが強いほど、自分のコンサルティング活動にも熱が入る。生き生きとして仕事に取り組めるわけである。私も一時はクライアントに対する自分の気持ちを高めようと努力したこともあったが、こればかりは努力してどうなるものでもなかった。

 分析能力やプレゼンテーション能力を努力して高めるのとは訳が違うのである。思い悩んだ結果、私はある結論に達した。

 私のような利己的な人間は、経営の 「運転席」 に座って自分でハンドルを握らないと気が済まないのである。

 コンサルタントとは、言ってみれば車の助手席に座って、運転している社長に対して色々とアドバイスする役割である。

どの方角に向かってどの道を選ぶべきか、スピードはどのくらいで走るべきか、車の状態を最善に保つためにはどこを修理すべきか、燃費をよくするためにはどうするべきかなど、自分はハンドルを握らないで横からアドバイスをする役割である。

 私はこれが不満だったのである。私はあくまで自分でハンドルを握りたいのであった。電通時代にやっていたことも基本的には、広報部長という 「運転手」 に対して横からアドバイスをするという、やはり助手席的な役割であった。

 こうして考えてみると、私は今までの会社人生をずっと、助手席的な役割に費やしてきたことになる。そして、助手席からつぶさに運転手の動きを観察し、運転技術を学ぶうちに、自分がハンドルを握りたいと言う衝動に駆られてきたのである。

 私のようなタイプの人間は、自分が助手席に座っている限り、たとえ雨が降って路面が滑りやすくなったり、または見晴らしの良い峠道を快適に走っていたとしても、運転手が感じているほどの危機感や充実感を共有することができないのである。

 やがて私は、クライアントに対する自分のコミットメントを高めようと無駄な努力をするより、自分自身が運転する側に写ることを考えるようになった。

 マッキンゼー生活を2年も過ぎると、何者かのエグゼクティブ・サーチ・ファーム(ヘッドハンター) から電話がかかってくるようになった。大体は、電話でまず転職の意向を聞かれ、「 良い話があるなら 」 と答えると、実際にサーチファームのコンサルタントに会って、詳しく相手先企業の説明を受けることになる。

 そして、その時点で興味を示せば、実際に相手先企業の人間に会って面接を受けることになる。

 私のところに来た引き抜き話は、外資系スノーボード会社の日本支社長、外資系スポーツシューズメーカーの事業部長、外資系工作機械メーカーの営業本部長、外資系エンターテインメント会社の宣伝部長、外資系飲料メーカーの事業部長、そして外資系パスタメーカーの日本支社長といったものであった。

 もちろん、これらは皆、異なるサーチファームからのオファーである。MBA卒業時に、ヨーロッパでほとんどの企業から相手にされなかった経験と比べれば、随分と隔世の感があった。

単にMBAという机上の空論だけでなく、戦略コンサルタントとして実際の企業の経営における諸課題に取り組んできたことが労働市場で評価されたのだろう。

 これもマッキンゼーのおかげである。

 (つづく)

 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO 】


 【 マッキンゼー流 図解の技術 】
 
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2015年01月17日

マッキンゼーの知恵 (83) 

「 マッキンゼーみたいな会社は明日無くなっても困る人はいない 」
 藤井清孝 ルイ・ヴィトン・ジャパン・カンパニー プレジデント&CEO

  今日は、マッキンゼー出身者のお話を紹介します。マッキンゼーやBCG(ボストン・コンサルティング・グループ)など戦略系経営コンサルの仕事とは、いわば芸術家みたいな仕事であって、他の事業会社や金融とは違うという話です。

 経営コンサルタントに求められるタレントとは、暗記能力に優れた学校秀才タイプではなく、クリエイティブな能力に長けた人材なのかもしれませんね。

 SAPジャパンやルイ・ヴィトン・ジャパンカンパニーのトップを経て現在、ベター・プレイス・ジャパンの社長を務める藤井さんは、新卒でマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社したのがキャリアのスタートでした。

 当時は会社名どころかコンサルティング会社という業種もまだ世の中には認知されていませんでした。マッキンゼーも積極的に学卒者を採用していたわけではありません。

 藤井さんは銀行と商社から内定をもらっており、三択肢からマッキンゼーを選択しました。
親からは勘当され、学校の先生からは 「頭がおかしくなったんじゃないか」 と言われたそうです。

 そんな反対を受けながらもマッキンゼーを選んだ理由は、自分が将来こうなりたいと思う人が圧倒的に多かったからでした。

 「 マッキンゼーみたいな仕事は、世の中で明日なくなっても困る人がいない。要するに芸術家なんです。ところが銀行とか商社は、社会にがっちり組み込まれているから、なくなると困る人がいっぱいいる。

 アドバイスだけやってお金をもらうというビジネスモデルは日本にはなかったわけですね。あえてそこに飛び込んで、保証もなくやっている人たちというのは、自分たちで価値をつくっていかないと明日はない世界で生きていたんです。」

 すでに出来上がった枠組みの中で仕事をするより自分たちで価値をつくる、これから枠組みをつくるという世界で生きている人たちに魅力を感じ、藤井さんはコンサルティングの世界に飛び込みました。

 あらかじめ社会に組み込まれた枠組みの中で、定型的な仕事をするほうが得意という人もいます。ただ、現在は既存の枠組みそのものが不安定になってきています。かつては大企業はつぶれないという信仰めいたものがありましたが、今はありませんし、リストラもあります。

バブル崩壊以降、事業環境の変化や経営判断の誤りで淘汰されていく企業を私たちは多く見てきましたが、そのような時代においては会社名や肩書よりも、具体的な仕事の中身と成果の価値が高まるのは必然です。

 自分で価値をつくり、それが自分の価値にフィードバックされ、よりよい仕事につながる好循環を自分でつくり出していくことが大切です。

 【 引用: 社長という仕事 Road to CEO 】


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2014年12月21日

マッキンゼーの知恵 (82)

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 “マッキンゼーで学んだ2つの重要なこと (2) ” 
 「効果的意思決定のプロセス」


 会社の中で、ほとんど付加価値の高い仕事というのは、何らかの意思決定プロセスを伴うものではないだろうか。

 規程通りにビューロクラティックな(官僚的な)書類を作成するとか、コンピュータに数字をインプットするなどといった業務にはあまり関係ないが、どのようなターゲットに対して商売をすべきか、どんな商売を開発すべきか、製造は自社で行うべきか、調達先はどこにするか、などほとんどの部門領域において意思決定は日々行われている。 

 また、私生活の中でも意思決定は毎日行われているはずである。どの会社に勤めていようか、誰と結婚しようか、といった人生の重大な問題から、どこに飲みに行こうか、といった身近な事柄まで、我々は毎日何らかの意思決定をしながら生活しているのではないだろうか。

 こういった意思決定をする場合、大抵の人は無意識にあるプロセスに沿って意思決定を行っているはずである。

 しかし、このプロセスを意識している人はあまりいないのではないだろうか。世の中、もちろん誰にも未来のことなど分からないわけなので、どんなに優れた意思決定プロセスを経て何かを決定したとしても、失敗したり外れたりする可能性が大いにあるということは否めない。

 しかし、ある一定の意思決定プロセスを理解、認識することによって、正しい決断をする確率を高めることができるのではないだろうか。

 私は、企業人はもちろん正しい結果や成果を求められるべきだと思うが、それ以上に本質的には正しい意思決定をしているかが求められているのではないかと考える。

 常に裏目に出ることのない、正しい決定をするということは不可能である。誰も将来の不測の事態など正確に予測することなどできないはずだからである。

 大企業のトップや識者といわれる人たちが、リーマンショックやギリシャショック、アジア経済危機を予測できず、株やデリバティブで大きな損失を被ったのは決して彼らが無能だったからではないはずだ。

 無責任なようだが、このような不測の事態によって自分の決定が裏目に出てしまうということはある程度仕方がないのではないか。会社での意思決定というものは、その時点で入手できる最大限の情報をもととに、最も適切な判断をしたのかということが問われるべきである。

 ここでは、マッキンゼーで学んだ効率的意思決定プロセスについて述べる。

 “ 意思決定における”第1プロセス 「意思決定事項の明確化」 “

 まず初めに重要なことは、何に関して意思決定を行うのかということを明確にすることである。これは一見当たり前のことであるが、実は多くの場合、決定すべき事柄が明らかになっていなかったり、的を外していることがある。

 例えば部員皆で社員旅行の行き先を決定するための議論をしている状況を考えてみよう。なぜかなかなか意見が出て来ず、行き先が決まらない。しかしもし、多くの部員たちがそもそも社員旅行に行きたがっていないという場合には、いきなり旅行の行き先を決めようとしても無理がある。

 この場合は、 「社員旅行の行き先」 ではなく、まず 「社員旅行を実施すべきか」 の決定を先に議論すべきである。このように、決定すべき事柄をとり違えた議論は、結局皆の時間を犠牲にすることが多い。

 “ 意思決定における第2プロセス 「思考のフレーム設定」 ”

 何を意思決定しようとすることが明らかになったら、次はどのような範囲の中で思考、決定を行う自由度があるのかを明確にする。たとえばあなたが某商品事業部の事業部長だったとする。

 その商品事業部の販売を拡大するには今、何を行うべきかという決定をする場合、新商品を開発するとか、広告戦略を見直す、または価格を変更するなどのレバーに加えて、販売人員増強のために、そもそも社外から有能な社員を採用する自由度があなたにあるのか、営業マンのヤル気を高めるために成功報酬の比率を高めることができるのかなど、どのような 「フレーム」 の中で意思決定を行う自由度があなたにあるのかによって取るべき方法が違う。

 よく陥りがちな失敗は、最初につい範囲のフレームを設定してしまうことである。この時点で狭く枠組みを設定してしまうと、以後、この狭いフレームの範囲の中からしか解決策を考えることができなくなってしまう。

 より有効な解決策が生み出されるま可能性を殺してしまうリスクがあるのである。なるべくはじめから色々なことを無理だと考えず、幅広いフレームを考えることが有効な解決策を導き出すコツである。

 “ 意思決定における第3プロセス 「選択肢の列挙」 ”

 さて、いったん枠組みを設定したら、その中にどのような選択肢があるのかを列挙する。たとえば、製薬会社が新規事業への進出を考えるとき、 「人々の健康に関する事業領域で今後成長が望めるもの」 というフレームの中にどのような選択肢があるのかを列挙する場合を見てみよう。

 調剤薬局事業、ドラッグチェーン事業、高齢者・慢性病疾患患者向け健康食品宅配事業、エステティック事業など、挙げて行ったらきりがない。この時点ではなるべく多くの選択肢を挙げることが大切である。

 “ 意思決定における第4プロセス 「評価軸の設定」 ”

 さて、今度は第3プロセスに列挙したオプションを、どのような判断基準で評価していくべきかという 「評価軸」 の設定をする必要がある。製薬会社の例をとると、列挙した新規事業を評価する軸として、
「市場全体の成長率、利益率、競合の激しさ、参入の難易度、自社の強み、事業リスク」 などがあげられる。

 これは、あまり多く挙げても意味がない。重要と思われるものに絞って5つないし6つくらいを挙げるのが望ましい。そして、当然それぞれの評価軸は重みが違うはずなので、特にどの評価軸を重要視すべきかを明確化する。

 つまり、それぞれの評価軸を 「加重」 するのである。

 “ 意思決定における第5プロセス 「評価」 ”

 いよいよ、個別の評価である。これは通常、縦横の票を作成して行うとやりやすい。まず表の左側に選択肢を上から下に並べ、表の上部に評価項目を左から右に並べる。そして、あとはそれぞれのますに評価結果を記入していくのである。

 市場規模や利益率など定量的な分析により導き出せるものはまず実際のシミュレーションを行う。また、事業リスクや自社の強みなど定量的な数字をはじくことが難しいものに関しては、可能な限り論理的な思考について評価を数値化する。

 たとえば5段階で評価結果を記入するとすると、調剤薬局という選択肢は市場全体の成長率は4、利益率は3、競合の激しさは2、といったぐあいにマス目を埋めていく。

 そして、全てのマス目が埋め終わったら、先ほど決めた加重点をかけるのである。市場の成長率は4だったが、加重点が10%の場合、加重後は0.4となる。今回の新規事業は特に利益率を重視した結果、利益率加重点が30%だったとすると、利益率の最終評価点は過重後0.9となる。

 そしてそれぞれの選択肢の一番右に、加重後の各評価点の合計値を記入する。

 “ 意思決定における第6プロセス 「判断」 ”

 過重後の合計評価点でそれぞれの選択肢の優劣を判断するわけだが、ここで大切なのは最も高い評価点を得た選択肢にすぐさま自動的に決定するのではなく、今一度その評価結果が本当に妥当なものかを再度 「考える」 ことである。

 なぜなら、もしかするとプロセスの途中の過重配分などの偏りがあったかもしれず、集計結果にひずみが生じているかもしれないからである。

 やはり最終的には評価結果が自分の感覚にマッチしているか、自分に対して説得力を持つかといったことを再度検討すべきである。そして、しっくりくるという確信が持てた場合、決定する。もししっくりこない場合には、再度前のプロセスを見直してみるべきである。

 もしかしたら、選択肢が少なかったのかもしれないし、加重点が適切でなかったのかもしれない。この最後の 「考える」 というプロセスにおいては、事業における勘とか、センスが要求される。恐らく名経営者といわれるような人は、この部分の能力が特に優れているのであろう。

 “意思決定における第7プロセス 「実行」”

 最も重要なポイントである。決定したことは責任を持ってすみやかに実行する。当たり前のことのようだが、これができない会社をいくつも見てきた。

 意思決定者に危機感が乏しかったり、強いリーダーシップがなかったりした場合に起こりがちな失敗である。しかし一般的には、その決定事項を自分がしっかりとした意思決定プロセスに沿って導き出した場合、自分の意志決定にかなりの自信をもてるはずである。

 反対意見に直面した場合でも、自分はこういう論理的根拠に基づいてこの決定をしたと相手に明確に説明ができるようになる。相手が自分以上に説明力のある論理的根拠を示せなければ、あなたの意見の方が説得力をもつはずである。

 (つづく)

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 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO 】
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2014年12月05日

マッキンゼーの知恵 (81)

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 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

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マッキンゼーで学んだ2つの重要なこと (1)

 “OSの重要性”

 実は前述した6C分析やマーケティングの4つのP、またはビジネス・システムといった考え方はほとんどのビジネススクールで学ぶことはできる。ここではいくつか、マッキンゼーで学んだり体得したことで非常に役立ったことを紹介する。

 マッキンゼーのコンサルタントという立場は、毎日想像を絶するようなプレッシャーをクライアントから受ける。通常、マッキンゼーの請求するコンサルティングフィーは、コンサルタント一人あたりに換算すると 「1日?万円」 となる。

 つまり私が存在するだけで毎日 「?万円」 の支払いがクライアントに生じているわけである。当然、クライアントは 「今日、このコンサルタントは?万円の価値のある発言、提言をわが社にしてくれたのか?」 という厳しい眼で我々を見るわけである。

 これはすごいプレッシャーである。見当違いの発言などしてしまったら、それこそ集中砲火のように攻撃を受けることになるのだ。だからこそ、マッキンゼーのコンサルタント達はがむしゃらに努力をするのである。

 先述した「効率性の追求」 と 「集中力の管理」 を意識しつつも、毎日15時間以上は働く。私の場合も、マッキンゼー在籍中の3年間、誇張ではなくほとんど毎日朝9時から深夜12時まで働いていた。

 もちろん、お茶を飲むなどのリラックスしている時間などほとんど無く、常にクライアントからの “お手並み拝見” といった厳しい視線、およびマッキンゼーのパートナーたちから実力を値踏みされるような観察眼にさらされながら、気の抜けない状態での長時間労働である。

 それでも間に合わなくて週末もたいてい1日は資料分析などに費やしていた。まさに仕事漬けの3年間であった。MBA(経営大学院)での厳しさよりも、マッキンゼーでの生活は、それとは比較にならないくらいに厳しかった。

 そもそもMBAの学生という立場は、こちらが授業料を払っているという、いわばお客である。客である限り、最後には甘えが許される余地もある。また、すべてのケース・スタディは机上の空論か、過去の事例であり、それによって実際に企業が倒産したり、誰かが解雇されることはない。

 これに対してマッキンゼーのコンサルタントという立場は向こうが客である。もちろん高額のコンサルティングフィーを払うクライアントは客であるし、マッキンゼー自体も私というコンサルタントに給料を払ってくれている客である。

 当然、期待されている働きをしないとかなり厳しいプレッシャーを受けることになる。クライアントからは、仕事の発注を止めるというプレッシャーを受け、マッキンゼーからは、前述の “Up or Out (昇格か解雇か)” というプレッシャーを常に受けることになる。

 また、仕事の内容自体も、机の上の空論ではなく、実際の企業の命運がかかっているのである。もちろん、クライアントもマッキンゼーの提言を常に100%無条件で実行するわけではないが、我々の提言一つでクライアント企業が赤字に陥ったり、多くの社員が職を失うリスクを常にはらんでいるわけである。

 このことは、我々一人一人のコンサルタントに大きなプレッシャーを与えることになる。

  “知識よりも知恵で勝負”

 このようなプレッシャーの中で、私はマッキンゼー入社後、クライアントに対して自分の考えをなかなか自信をもってぶつけることができなかった。自分の提言に自信がもてなかったからである。

 何しろ相手はその業界一筋に30年以上過ごしてきたベテラン役員達である。それに比べてこちらは全くの門外漢で、その業界についてはプロジェクトチーム結成後たった1〜2か月かじっただけである。

 いくら週7日、一日15時間以上労働し、業界知識を吸収しようと努力しても、当然、業界知識では相手にかなわない。そんな自分が相手に対していったいどのような 「価値」 のある提言をすることができるというのか。

 自分の考えに自信を持てなければ、当然自分の発言に迫力も生まれず、クライアントに論破されることもしばしばで、最初の頃は大いに悩んだ。しかし、そのうち徐々に 「経営戦略コンサルタント」 の意味が分かってきた。

 マッキンゼーは 「経営戦略コンサルティング・ファーム」 であり、「専門コンサルティング・ファーム」 ではないのである。

  専門コンサルティングとは、例えばスーパーマーケットの棚を一目見ただけで売れ行き不振の原因を指摘でき、棚の並べ替えの改善案を提案できる流通コンサルタントとか、工場の製造ラインを見ただけで、より効率の良いライン設計やさらなるコスト改善を提言できるオペレーションコンサルタントのような存在のことである。

 ある一つの専門分野のスペシャリストのことである。これはいわば、コンピュータの世界でいえば、応用(アプリケーション)ソフト的な機能である。その分野で長年にわたる知識・経験がものをいう職人的世界である。

 一方、経営戦略コンサルティングとは、 「企業経営における基本的な考え方」 で勝負する世界である。コンピュータでいえばOS (基本ソフト) 的な機能である。

 日本ではまだ稀だが、米国では企業のトップ (CEO) がいきなり社外からヘッドハントされてやってくる場合が多い。当然、その業界の外から招かれたCEOは、個別部門の専門的な知識をもっていないのがふつうである。

 しかし、それでもこういうことが頻繁に行われ、またこのようなCEOに高額の報酬が支払われる理由は、米国の企業社会が企業の経営スキルと個別現場のオペレーションスキルとを切り離して考えているからである。

  (つづく)

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 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO 】


  【 東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 】


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2014年10月29日

マッキンゼーの知恵 (80)

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

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 プロジェクトチーム単位での活動 

 マッキンゼーのコンサルティングは通常プロジェクト (マッキンゼーではEngagement と呼んでいる) ごとにチームが編成され、大体3か月から6か月かけて1つのプロジェクトが進行する。

 1つのチームは通常、パートナーが1人ないし2人上につき、現場をレベルでは1人のEMないしSEMが指揮し、その下にアソシエイトが 2〜3 人つくというのが一般的なフォームだ。

 プロジェクトの内容は千差万別で、例えば 「どうしたら自社の株価を高めることができるか」 とか、 「ROE (Return On Equity: 株価収益率) を改善するには」 といった企業の全社戦略や経営の根幹に関わる課題から、 「R&D部門(研究開発部門)の効率改善」 とか、「営業マンの活性化」 といった固有の部門レベルの課題にまで多岐にわたる。

 クライアントの依頼主は社長自らといった場合がほとんどで、通常は社長直結の特別プロジェクトチームがクライアント社内に結成され、日常の分析作業はこのプロジェクトチームと共に行うことが多い。

 そして、プロジェクトの途中報告及び最終報告時にクライアントの役員会でプレゼンテーションを実施する。この時にクライアントの社長以下、役員たちと激しい議論を展開し、実際の実行に向けた合意を取り付けるのである。

 “ 売上げ − コスト=利益という基本”


 入社後、約1か月間の基礎研修期間を経て、最初のプロジェクトに配属された。クライアントは巨大な重厚長大産業で、最近の規制緩和と外資の進出によって利益を落としており、現在の事業の仕組み全体を見直すことによって、より利益の出る筋肉質の体質への転換をめざしていた。

 マッキンゼーへの依頼内容は、「そのためにはどうしたら良いか?」 という、かなり広い領域にわたるものだった。守秘義務があるため、詳細は語れないが、基本的な考え方だけ紹介する。

 通常、まず依頼主企業を取り巻く環境を分析することからプロジェクトを始める。コンサルタント自身、その業界に全くの門外漢だった場合、この分析課程は不可欠である。

これは俗に言う6C分析というもので、まず @依頼主企業 (Company) の強みや弱みは何か、
A どこで利益を稼いでいるのか、 B社風や社員の意識はどのような状態か、 C大きな比重を占めるコスト要因は何かなどを詳しく調べ、依頼主企業をよく理解する。

 そして、D 業界の競合他社 (Competitors) の戦略、動向、および強みや弱みは何か、
E顧客 (Customer) のニーズの変化、購買に当たっての意思決定者や判断基準の詳細などを調査分析する。

また、F 最終的に商品を購買することになる消費者(Consumer) の嗜好やブランド選定基準などの動向、
G アライアンスなどを形成している提携会社や卸などの協力社 (Cooperator) の力量分析、そして、 

H 政府の影響力の強い規制産業の場合には、将来の事業の方向性に大きな影響を与える政策 (Controller) の見極めなどを行う。

 こうしてまずクライアント企業を取り巻く現状を徹底的に理解、整理して頭に叩き込む。

 そしてこの6C分析で明らかになった事実をもとに、実際に取るべき利益増大戦略の方向性を作っていくわけである。これも単純化して述べるが、基本的には企業の生み出す利益総額とは 「売上 − コスト」 のことである。

 ということは、ある企業の利益を増大させるためには売り上げを増やすか、コストを削減するか、またはその両方を実現することが必要となってくる。

では、売上を増大させるには何が必要か? 3つある。

 @ だれに対して自社製品を売るのかという、ターゲットの設定。国内をターゲットとするのか、それとも地方の中小都市も含んで全国展開をするのか、という商圏の設定。また、ある特定の年齢層や性別等の人口統計上の特性でターゲットを捉えるのか、といったコアターゲット像の絞り込み。

 A このターゲットに対してどのようなマーケティング施策が最も有効かを明らかにする。この場合有効なのが4Pの考え方だ。

 これはマーケティングの教科書の1ページ目に出てくる基本の事柄だ。まず、そのターゲットに対してどのような特徴の商品 (Product) を開発、提供すべきか。6C分析で明らかになった顧客や消費者の嗜好動向や、競合他社の商品情報などから作成した商品マップなどをもとに、市場のスイート・スポットを狙い撃ちできる商品を絞り出す。

 また、ターゲットに受け入れられる価格 (Price) はどのくらいか。ブランドイメージに対する影響などを考慮しながら、価格と販売量のシミュレーションを行い、利益の最大化をめざす。そして、ターゲットにどのチャネル・流通網 (Place) を使って商品を流すか。

 高級店に絞るのか、それとも販売量をかせぐために一般量販店にまで販路を広げるべきか。自社で販売すべきか、または代理店に販売委託すべきか。また、どのような広告販促戦略 (Promotion) が有効か。テレビなどのマス広告を中心に展開すべきか、または店頭販促などの売り場重視戦略をとるべきか。

 この4つのPである商品戦略、価格戦略、流通戦略、広告販促戦略を決定した後、3つめに必要なこととして営業組織の活性化が求められる。どんなにすばらしいマーケティング戦略を構築したところで、実際に顧客に対して日々、商品を売り込む営業マン達がうまく動いていなければ商品は売れない。

 営業組織を担当地域でくくるべきか、担当商品でくくるべきか。営業マン達は商品ごとの利益や顧客ごとの利益を理解して、優先順位を付けて行動しているのか。

 一人のノウハウや成功事例が、他の営業マン達に伝わるしくみはあるか。営業マンの固定給と成功報酬との比率をどのくらいにすることが最も営業マンのヤル気を引き出すことができるか、などを考慮する必要がある。

 B 次に、コストを削減するためにはどのような考え方をすべきかを見ていこう。ただ、単に損益計算書の費用項目詳細を睨んでいても、なかなかコストの実像は見えてこないものである。

 一般的に有効な方法としては、企業のビジネス・システムに沿って個別にコストを分析していくことが考えられる。ビジネス・システムとは企業が商品を市場に送り出すために行っている数々の機能を順番に並べたものである。

 例えばまずR&D部門が研究開発を行ない、調達部門が必要な部品を調達し、製造部門が実際の商品を作る。完成した商品は物流部門が市場に送り出し、マーケティング部門が販売戦略を練り、営業部門が実際に顧客に売り込む。

 そして、この一連の流れを支えているのが、人事部門、経理部門、総務部門、情報システム部門、法務部門などである。これらの個別部門ごとにコスト構造を見ていくのである。

 それぞれの分野で優れたコスト効率を実現している他社の実績数字などをもとにベンチマークしたり、従業員一人当たりの生産性などの指標をもとに分析していく。

 特に、それぞれの部門のコスト項目のうち、大きな比重を占めているものから見ていくことが重要である。改善した場合の効果が大きいからである。

 C そして、コスト改善は必ず数値化した目標値を設定することが大切である。 「X年間でY%のコストを削減する」 とか、「業界トップ企業のコストをZ%下回る」 といったものである。
 
 もちろん、必要なら現在のビジネス・システムの流れを変えることによって、よりドラスティックなコスト改革を実現することも考えられる。例えばある機能をそっくりアウトソースしてしまうといったエンジニアリング的発想である。

 非常に単純化して述べているが、とにかく売上を増やし、コストを削減することが利益改善の基本なのである。

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 (引用: ゼロからめざせ! 30代CEO )



 (東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッドと全人脈!)


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2014年10月11日

マッキンゼーの知恵 (79)

【 連載記事は下記のカテゴリー欄から通してご覧になれます 】

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 “経営士官学校としてのマッキンゼー Up or Out? 昇格か、クビか”

 1995年初め、私はマッキンゼーアンドカンパニーの東京支社にアソシエイトとして入社した。出社第一日目、まず簡単な入社手続きと総務的事項の説明を受けたあと、自分のデスクのある部屋に案内された。

 その部屋には私を含んで6人のコンサルタント達のデスクがあった。とりあえず同質のコンサルタント達に自己紹介をしていると、そのうちの一人が黙々と自分の荷物を段ボールに詰め込んでいるのに気付いた。

 部屋を変わるのかと聞くと、彼は、許容期間中に昇格できなかったために本日付でクビになったのだという。

 私が間を丸くして言葉を失っていると、「 あなたは採用説明のときに Up or Out 制度について聞いていなかったんですか?」 と聞く。初めての言葉だったので、 「なんですか、それ?」 と聞き返すと、彼は丁寧に説明してくれた。

 マッキンゼーには世界中のオフィスで共通の資格というか職階のようなものがあり、大学を卒業して新卒で入るものはまずBA (Business Analyst) からスタートする。そして次がJA (Junior Associate)。私のように実務経験を積んでMBAを取ってから入社する者は、その上のAssociate という資格からスタートする。

 そしてAssociateの上にはEM (Engagement Manager) 、 SEM (Senior Engagement Manager) と続き、その上に役員であるパートナー (Partner) が存在する。

 しかし、これらの資格には全て許容される滞留期間が設けられており、その期間を過ぎても次の資格に昇格できなければクビになる仕組みになっているということであった。

 昇格するか、クビか、つまり、まさに Up or Out である。彼は私と同じようにMBAを取得してアソシエイトとして入ってきたのだが、EMに昇格できないまま約4年の月日が経ってしまい、クビになったのだそうだ。

 大体目安としてアソシエイトは3年半から4年、EMは2年から2年半、SEMは1年半から2年というのが許容される滞留期間だからだそうだ。つまり、新しい職位を得た瞬間から砂時計がひっくり返り、砂が刻一刻と下に落ちていくのだそうだ。

 砂が全部下に落ちないうちに昇格して、砂時計を再度ひっくり返す必要がある。それも上の資格になればなるほど、砂時計が小さくなってくるというわけだ。何とも厳しい制度である。

“「効率性」と「集中力」を常に意識する”

  この Up or Out 制度は、一般的日本企業のぬるま湯的居心地の良さから比較すると、とても厳しい制度のように聞こえるが、私自身は今から思うと、この制度でとても良い経験をしたと考えている。

 しかし、この Up or Out制度は、よほどの呑気な人間でない限り自分自身に最大限の努力を課さざるをえない状態に自分を追いこむ効果がある。毎日、一分一秒たりとも時間を無駄にせず、自分を高めることに努力をせざるをえないのだ。

 何しろ、毎日砂時計の砂が落ちていく音が聞こえているのだから。そうなると、人間がんばれるものである。高度な仕事遂行能力が身につくようになるために、最大限の努力をするようになる。もちろん、一生このような環境に身をおいていては心身ともに疲弊してしまうが、人生のある一時期に自分を極限状態に追い込むくらいの努力をする期間があるということは、その後の人生にとって良いことだと思う。

 一度、自分がどこまで頑張れるかの限界を経験すると、以降ちょっとやそっとの苦労や努力など朝飯前に感じることができるからである。大きな自信がつくのである。

 ただ、がむしゃらに努力すれば良いというものではない。2つのことを常に意識しながら努力をする必要があると考える。

@ 可能な限り仕事の効率性を追求する意識を持つことである。

新しい業界の知識を吸収したり、何かを分析しようとする時はやみくもに目の前にある資料やデータを読破したり、見当違いの本を読み始めたりしても、無駄な努力となってしまうことが多い。
 
 まず最初に、自分が特に何を知る必要があるのかを明確化する必要がある。ある業界の土地勘を身につけるために広く浅い知識を吸収したいのか、それとも特定の事象、例えばその業界の個々の企業の財務状況や、マーケティング施策の違いを深く知る必要があるのか。

 またはある業界における 「勝利の方程式」 をつかむ必要があるのかなどで、取り組むべき対象も変わってくる。

一般図書を読むのがいいのか、特定レポートなどに目を通すべきか、または、まとまった資料など存在しないので自分で個別データを集めることから始めるべきか、その場合はどのようなデータが必要か、または、何人かの識者に直接インタビューして手っ取り早く要所を吸収すべきか、といった具合にその手法が変わってくる。

 自分が何を知りたいのかが明確化されていないと、見当違いの遠回りな努力をしてしまうリスクが生じてしまう。

 また、これはとても重要なことだが、何を知る必要があるかを明確に理解しているということは、つまり自分の直面している本質的な課題が分かっているということなのである。

 課題とは、自分が取り組んでいる仕事における最も重要なポイント、鍵のことである。無駄な努力をしなくてもすむよう、常に自分の取り組んでいる業務のポイントを的確に把握していることが重要である。そのためには 「木を見て森を見ぬ」 ことにならぬよう、常に広い視野で全体観を持ちながら仕事に取り組むべきである。

A その時々の集中力の度合いに見合った業務をするようにこころがけること。

 同じ能力の人が同じ時間仕事をしたとしても、集中力に違いがあった場合、その結果は大きく変わってくるのである。仕事には密度が大切である。しかし、よほど強靭な体力と精神力を併せ持った人間でない限り、毎日何時間にもわたり高いレベルの集中力を保つのは困難である。

 せいぜい1日のうち、高いレベルで仕事に集中できるのは3時間くらいではないだろうか。それ以外の時間は、かなり集中力が落ちるはずだ。では、私を含めた一般の人間はどうすれば良いのか。最も集中力を発揮できる時間を、最も深く頭を使う仕事にあてることである。

 職種にもよるが、大抵の仕事には頭を深く使うべき性質のものと、作業的なものとが混在しているはずである。付加価値の高い仕事と低い仕事と言い換えたほうが分かりやすいかもしれない。

 例えば、PCにデータをインプットして表計算をするとか、社内書類を作成するとか、または業界関連記事に目を通すといった仕事にはそれほど集中力は求められないはずである。ある程度リラックスした状態でこなせるはずである。

 反対に、一旦頭の中にインプットした業界関連記事やデータの分析結果などをもとに、 「では、どうするべきか」 といった戦略を考えるとき、または社内の色々な部門の現状課題などをもとに社内改革や業務のリエンジニアリング案を考える時などには高い集中力を発揮することが要求される。

 仕事の最も付加価値の高い領域である。1日のうち、最も高い集中力を発揮できる貴重な2〜3時間を、こういった 「深くものを考える」 仕事に費やすべきである。これを逆にしてしまうと、非常に効率が悪くなってしまう。

 せっかく高い集中力を発揮できる貴重な時間を、記事チェックやPCのインプット作業に費やしてしまうなど、何とももったいない話である。その反対に、疲弊した頭で集中力を欠いた状態の時には、深い思考にもとづく良い戦略や提案は生まれてこないものである。

 (引用: ゼロからめざせ30代CEO )
 
 【引用: ゼロからめざせ! 30代CEO − 谷貝淳 箸】
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2014年09月20日

マッキンゼーの知恵 (78)

 “壮絶なマッキンゼーの面接試験”

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 もう季節は10月の終わり、卒業まであと2か月をきっていた。面接の前日にジュネーブからミュンヘンに飛び、マッキンゼーが用意してくれた豪華なホテルに宿泊し、翌日の面接に備えた。

 翌日にはどんよりと寒々しく曇った、ヨーロッパの典型的な晩秋といった感じの日だった。もう既に街路樹は黄色く染まり、道行く人たちは険しい顔をしながらコートの襟を立てて足早に落ち葉の上を急いでいた。

 しかし、面接場所であるマッキンゼーのミュンヘンオフィスに向かうタクシーの中では、初めて訪れたミュンヘンの街並みを楽しむ余裕もなく、私は自分に気合を入れ、うまく面接をこなすイメージトレーニングを繰り返していた。

 ミュンヘンオフィスに到着すると、まず小さな会議室に通された。そして、秘書らしき大柄なドイツ人女性が現れ 「まずは90分間、筆記試験を受けて頂きます。」 と言われた。

 筆記試験があるなんて、事前に聞いておらず、拍子抜けしてしまったが、こうなったらなるようになれと思い、渡された筆記試験に取りかかった。どうやら論理力をみる試験のようだった。

 つい引っかかりそうな、ややこしい問題の数々に取り組んでいると、あっという間に制限時間が過ぎていった。

 私は論理に関してはスイスのビジネススクール、IMDで鍛えられたせいもあり、結構自身があった。それが終わるといよいよ面接だ。

 今度は中背の40代半ばのドイツ人がやってきた。彼はひどいドイツなまりの英語で、現在自分は東京オフィスの支店長をしていると言った。つまり私が入社を目指している東京オフィスのボスである。

 たまたま出張でミュンヘンに来ているのだそうだ。東京オフィスの支社長がドイツ人だったなんて、この時はじめて知った。しかし、もういちいち驚いていられない。

 今度の面接トピックは、 「ドイツのフィルムメーカーが、圧倒的に日本企業が優勢な日本のフィルム市場に進出するためには何が必要か。」 といった問題だった。

 今回は前回のてつは踏まないように、いきなり答えるのではなく、まず色々とこちらから質問をして、状況の理解を深めることにした。そのドイツのフィルムメーカーの強みは何か。

 技術力か、マーケティング力か、コスト競争力か。また、日本のマーケットリーダーは現在の優勢なポジションを何によって獲得したのか。日本の消費者フィルム選択に関する消費者調査の結果はないか、などなど。

 こういった質問をしているうちに、相手の答えの中からいくつか冒頭の質問に対する答えのヒントが見えてきた。私は今回は自信を持って答えられた。結局面接は90分くらいに及んだが、自分なりに手ごたえは感じることができた。

 翌週、案の定2次試験をパスしたという連絡を受けた。とうとう東京での最終面接である。秋も深まった11月の半ば、送ってもらったビジネスクラスの航空券で私は東京へ飛んだ。

 用意してくれたホテルは一流ホテル。まだ採用するかも分からない候補者のためにビジネスクラスのフライトや一流ホテルの宿泊を用意してくれたりと、随分と気前の良い会社だと驚いた。

 面接の前日、成田に到着した。久しぶりの日本である。ヨーロッパの電車に慣れてしまったせいか、東京へ向かう成田エクスプレスのシートがやけに窮屈に感じたことを覚えている。

 その日は、時差ボケ解消のためにホテルのプールでひと泳ぎした後、久しぶりの和食を堪能した。翌週、指定の時間にマッキンゼー東京オフィスに出向いた。いよいよ最終面接である。

 板張りのしゃれた会議室に通されると、早速採用担当者がやってきて、小さな紙に印刷された面接のスケジュール表を渡された。何と驚いたことに、昼食をはさんで計7人の面接官から7時間にわたる面接スケジュールが記載されていた。

 一人当たり1時間の面接が連続7回である。相手の面接官はほとんどが東京オフィスのパートナー(役員)であった。マッキンゼーはこのように社員の採用プロセスに多大な労力をかける。

 コンサルティング会社は人が命だからである。さすがに7時間にもわたる面接には憔悴した。入れ替わり立ち替わりやってくる癖のあるパートナーたちから、意地悪いとんち問答のような質問をぶつけられ、何とか苦労して答えるとその応答にたいしてまた深く突っ込まれるという繰り返しだった。

 答えれば答えるほど逃げ場を失い、追い込まれていくような気がした。夕方、ようやく百人組手のような面接から解放された。へとへとだった。最終面接の結果は翌朝出るとのことだった。

 合格の自信はなかったが、とりあえずやるだけのことはやったという充実感だけは残った。

 翌日、指定の時間に再度マッキンゼーに出向くと、昨日と同じ会議室に通された。やがて、昨日の面接官だったパートナーの一人がやってきた。そしてもったいぶることもなく、いきなり 「谷貝さん、合格です。」 と微笑んだ。

 そして初年度の給与の提示である。合格したということ、そして予想していた以上の給与額の提示に私はもう有頂天であった。小躍りするような足取りでマッキンゼーオフィスをあとにした。

 しかし、後から知ったことだが、私の採用についてはかなりの賛否両論があったそうだ。数人のパートナーが、私がマッキンゼーでは通用しないだろうという判定を下していたそうである。

 結局、いわば補欠のような位置づけで採用されたらしい。たとえ補欠でも入社してしまえばこっちのものだと思いたい一方で、マッキンゼーという組織は、実力不足で入ってしまった者にとっては地獄と化すということを、その時点ではまだ知る由もなかった。

 (つづく)
 
 【引用: ゼロからめざせ! 30代CEO − 谷貝淳 箸】


【 今日のアルバム 】 ジャズ BOBBY HUTCHERSON − “Happenings”
 
ボビー・ハッチャーソンはロサンゼルス生まれの73歳、ジャズ・ヴィブラフォン奏者。オーソドックスでモダンなジャズ演奏に定評がある。ピアノから音楽に入り、ルト・ジャクソンやマイルス・デイビス、セロニアス・モンク等を聴きジャズに興味を持つようになる。

4曲目の Maiden Voyageは、神秘的な幽玄の世界に導くようなメロディーに、ひとときの安らぎを得られます。You Tube でも聞けます。

http://www.youtube.com/watch?v=nwoTLu2UjjE



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2014年08月21日

マッキンゼーの知恵 (77)

 「壮絶なマッキンゼーの入社試験」

 電通からスイスのローザンヌ大学でMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 
 電話の主はマッキンゼー東京オフィスの採用担当者だった。彼はいきなり 「就職先としてマッキンゼーに興味はありませんか」 と尋ねてきた。私は正直言って興味があるもないも、マネジメント・コンサルティングへの就職など考えたことも無かったので、

 「興味なくはないですが・・・」 と、今から考えると非常に情けない返答をしたことを覚えている。すると彼は 「もし良かったら弊社の面接試験を受けてみませんか」 と言ってくれるので、思わず 「はい」 と言ってしまった。

 一人になっていろいろと考えてみた。マッキンゼー東京オフィスということはつまり、面接試験に通ったとしても日本に帰国するということになる。つまりヨーロッパで生きていくという夢は破れてしまうことになる。

 しかし、私は一体何を本当は目指しているのだろうかと再度自問自答した。答えは明らかだ。将来社長に就くことである。電通を辞めるという決心をしたとき、あくまで将来社長に就こうと決意したのである。

 そう考えるとマネジメント・コンサルティングという職種は自分のキャリアデザインにとって最適な通過点に思えてきた。

 MBAを卒業したからといってすぐに社長になれるわけではない。それなら、 「経営代理業」  であるマネジメント・コンサルタントとして社長職の疑似体験を積むことも悪くないのではないかと考えた。

 マッキンゼーの一次面接は、IMDの会議室で行われた。窓からレマン湖沿いの紅葉が覗く、10月のとあるよく晴れた日だった。相手はマッキンゼーチューリヒオフィスのコンサルタント2名であった。

 マッキンゼーのリクルーティングの場合、まずいきなり日本に採用候補者を呼ぶのではなく、候補者の居住地に最も近いオフィスのコンサルタントが1次スクリーニングを行うのが通例である。

 他の企業の面接官と違い、冷たそうな雰囲気の漂った面接官は、今までやってきたこととか志望動機は一切聞かず、いきなり 「 スイスのスキー板の市場はどのくらい大きいか? 」 と尋ねられた。予期せぬ質問だったので、面食らった。正直言って何と答えたか覚えていない。

 その質問が終わると今度は、 「 スイスに乳牛が何頭くらいいるか? 」 である。バカにされているのかとさえ思った。しかし、二人のコンサルタントは大まじめな目で私を見つめていた。

 後年、自分もマッキンゼー在籍中に何回も採用面接官の役割を務めたが、これらの質問は決して相手を茶化しているわけではない。もちろん、いきなり乳牛の数だけを当てずっぽうに答えてもらおうと思っているわけではない。

 ただ、どのような考え方をして答えを導き出そうとするのかという思考のプロセスを見るのである。もちろん決まった答えというものは存在しないが、例えば 

 「スイスは牛乳を輸入していないので、国内で生産される酪農製品に必要な牛乳はすべて自国の乳牛でまかなっているはずである。1年間にスイス国内で生産される飲料乳製品に必要な牛乳はXトン。

 食用乳製品に必要な牛乳はYトン。原料輸出を含むその他乳製品に必用な牛乳はZトンとすると、スイスの乳製品の年間生産に必要な牛乳の総量はX+Y+Zトンである。

 乳牛1頭あたりの年間の牛乳供給量をAトンとし、乳牛のフル生産比率を70%とすると、答えは (X+Y+Z) ÷0.7A となるはずである。つまり、どのような “仮説” を作ることができるかを見るのである。

 一旦しっかりした仮説を作ることができれば、あとは仮説のそれぞれの部分が本当に事実かどうかをひとつひとつ検証していけば良いのである。

 例えば 「スイスは牛乳を輸入していない」 という仮説は事実かどうか、などという具合に。このように最初に仮説をつくることができないと、何かを分析するときにどこから着手してよいか分からなくなってしまい、作業効率が悪くなってしまうものである。

 仮説の設定は問題解決への最短化につながる。もちろん、こういうことは後年知ったことであり、自分がマッキンゼーの1次試験を受けている時にはそのような相手の意図は想像もつかなかった。

 ただ脇の下を汗でびっしょり濡らしながら見当違いの答え方をしていたはずである。

 後で知ったのだが、案の定、面接官は私に対して不合格の決定を下したらしい。しかし、有り難いことに、マッキンゼーの東京オフィスの採用担当者が、これはもしかすると英語力の問題かもしれないと考えてくれ、特別に再試験の機会を用意してくれたのだ。

  まさに命拾いをしたわけだ。しかし、私はあくまでその再試験を2次試験のつもりでいた。1次試験で不合格の判定をもらっていたという事実を聞いたのは採用された後だったからである。

 自分ではよく1次試験を通過したと不思議に思いながら、自分なりに前回の質問の意味を深く考え、また同じくマッキンゼーの1次面接を受けたIMDの同級生たちとの情報交換の結果、大体相手の求めている答え方というものが分かってきた気がした。

 コツは、とにかく問題を細かく展開 (分解) し、論理的な仮説を設定することだ。再試験はミュンヘンのマッキンゼーオフィスで実施されることになった。

 ( つづく )

 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO 】 


 【 東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 】

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2014年06月22日

「頭がいい人はなぜ方眼ノートを使うのか」

 最近読んだ本からビジネスの効率を上げるために取り入れた方法があるので紹介します。

仕事のやり方をガラリと変えて、論理的な思考能力を高める方法がノートの使い方にあるのです。ほとんどの人は縦長(横書き)のA4サイズノートを使っていると思いますが、その方式ですと、自分の思考や会議の内容を時系列で順番に書いていくことになります。

ひとつの課題に対するソリューションを、さまざまなアングルに要素を求めて図を描く方式で思考を発展させていくには縦長(横書き)ノートは向いていません。

@ 方眼紙ノートのトップにタイトルを入れると目的が明確になる。
1枚のページに一つの課題ということで、そのページの目指す目的が明確になります。

A  レイアウトを縦から横に変えることで思考の拡がりが変わる。

 ほとんどの人は縦長のノートを使いますが、横長のノートを使うと視界が広くなります。それに伴い思考が広がる。大前研一氏はA4x2, A4x2の大きな特注の方眼ノートを使い、一会議一枚を使って、会議の終了時には結論が出るように結び付けていました。

 Life社ノートがBCG (ボストン・コンサルティング・グループ) の社内備品になっていますし、マッキンゼー社は特注の方眼ノートを社内備品として用いているそうです。

 100均で買う縦型(横書き)ノートは安いですし、紙質もざらざらしていて書き心地があまり良くありません。方眼ノートは安くても400円弱しますし、高いですが、仕事の成果を求めるのであればお金をけちるのは良くないでしょう。

 大前研一氏は方眼ノートをまず左下から書き始め、右上にかけて問題解決に導いていた。こうしてミーティングの終了時には右上の方に答えが出ていたそうです。

B 図表が描けることが論理的に結論を導き出せる能力

15年前ですが、 『図に描くビジネスマンは成功する』 といったような題名の単行本がブームになりました。図に落として考えながら思考を進化させるのがカギでしょう。早速私も実践しました。

 【 頭がいい人はなぜ方眼ノートを使うのか − 高橋政史 】

 
 【 オキナ A4プロジェクト 5ミリ方眼 】

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2014年03月21日

マッキンゼーの知恵 (76)

 電通からMBA(経営学修士)取得、そしてマッキンゼーに入社し、外資系メーカーのCEOに就いた谷貝淳氏の著書からマッキンゼーの仕事のしかたを紹介します。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

1995年初め、私はマッキンゼーアンドカンパニーの日本支社にアソシエイトとして入社した。出社第一日目、まず簡単な入社手続きと総務的事項の説明を受けた後、自分のデスクのある部屋に案内された。

その部屋には私を含んで6人のコンサルタント達のデスクがあった。とりあえず同室のコンサルタント達に自己紹介などをしていると、そのうちの一人が黙々と自分の荷物を段ボール箱に詰め込んでいるのに気付いた。

部屋を変わるのかと聞くと、彼は、許容期間中に昇格できなかったために本日付でクビになったのだと言う。

私が目を丸くして言葉を失っていると彼は 「谷貝さんは採用説明のときにUp or Out(アップ・オア・アウト)制度については聞いていないんですか?」 と聞いてきた。初めて聞く言葉だったので、 「なんですか、それ?」 と聞き返した。

彼は丁寧にUp or Outについて説明してくれた。マッキンゼーには世界中のオフィスで共通の「資格」 というか 「職階」 のようなものがある。大学を卒業してすぐに入社したものはまずBA (Business Analyst) という資格からスタートする。

そして次がJA (Junior Associate)。私のようにある程度の実務経験をもとにMBA等を取得して入ってきたものは、その上のアソシエイトという資格からスタートすることになる。

そしてAssociateの上にEM (Engagement Manager)、SEM (Senior Engagement Manager) と続き、その上に役員であるパートナーが存在する。しかし、これらの資格には全て許容される滞留期間が設けられており、その期間を過ぎても次の資格に昇格できなければクビになる仕組みとなっているということであった。

昇格するか、クビか、つまり、まさにUp or Outである。私は彼と同じようにMBAを取得してアソシエイトとして入ってきたのだが、EMに昇格できないまま約4年の月日が経ってしまい、クビになったのだそうだ。

大体目安としてアソシエイトは3年半から4年、EMは2年から2年半、SEMは1年半から2年というのが許容される滞留期間だそうだ。つまり、新しい資格を得た瞬間から砂時計がひっくり返り、砂が刻一刻と下に落ちていくのだ。

砂が全部落ちないうちに昇格して、砂時計を再度ひっくり返す必要がある。それも上の資格になればなるほど、砂時計が小さくなってくるというわけだ。何とも厳しい制度である。

 “「効率性」 と 「集中力」 を常に意識する”

このUP or Out制度は、日本企業のぬるま湯的居心地の良さから比較すると、とても厳しい制度のように聞こえるが、私自身は今から思うと、この制度のおかげでとても良い経験をしたと考えている。

人間、誰でも本来楽をしたがるものである。毎日会社で机に向かっていても、息抜きにネットサーフィンを楽しんだり、外出時に喫茶店でサボったりしたといった経験は誰にでもあるのではないだろうか。

たとえ毎日遅くまで会社で残業していたとしても、集中力を欠いた状態で何となくだらだらと非効率的に時間を費やしている人は多いのではないだろうか。夏場など、
会社のテレビでプロ野球を流しながら仕事をしている人を私は何人も知っている。

しかし、このUp or Out制度は、よほどのんきな人間でない限り自分自身に最大限の努力を課さざるをえない状態に自分を追い込む効果がある。毎日、一分一秒たりとも時間を無駄にせず、自分を高めることに努力をせざるをえなくなるのだ。

何しろ、毎日砂時計の砂が落ちていく音が聞こえているのだから。そうなると、人間がんばれるものである。高度な仕事遂行能力が身につくようになるために、最大限の努力をするようになる。

もちろん、一生このような環境に身をおいていては心身ともに疲弊してしまうと思うが、人生のある一時期に自分を極限状態に追い込むくらいの努力をする期間があるということはその後の人生にとってとても良いことだと思う。

一度、自分がどこまで頑張れるのか限界を経験すると、以降ちょっとやそっとの苦労や努力など朝飯前にかんじることができるからである。大きな自信がつくのである。

ただ、がむしゃらに努力をすればよいというものではない。私は2つのことを常に意識しながら努力をする必要があると考える。まず第一に、可能な限り仕事の効率性を追求するという意識を持つことである。

新しい業界の知識を吸収したり、何かを分析しようとする時には、やみくもに目の前にある資料やデータを読破したり、見当違いの本を読み始めたりしても、無駄な努力となってしまう場合が多い。

まず最初に、自分が特に何を知る必要があるのかを明確化する必要がある。ある業界の土地勘を身につけるために広く浅い知識を吸収したいのか、それとも特定の事象、例えばその業界の個々の企業の財務状況や、マーケティング施策の違いを深く知る必要があるのか、またはある業界における「勝利の方程式」 をつかむ必要があるかなどで、取り組むべき対象も変わってくる。

一般図書を読むのがいいのか、特定レポートなどに目を通すべきか、または、まとまった資料など存在しないので自分で個別データを集めることから始めるべきか、その場合はどのようなデータが必要か、または、何人かの識者に直接インタビューして手っ取り早く要所を吸収すべきか、といった具合にその手法が変わってくる。 

自分が何を知りたいのかが明確にされていないと、見当違いの遠回りな努力をしてしまうリスクが生じてしまう。

また、 これはとても重要なことだが、何を知る必要があるかを明確に理解しているということは、つまり自分の直面している本質的な課題が分かっているということなのである。

課題とは、自分が取り組んでいる仕事における最も重要なポイント、鍵のことである。無駄な努力をしなくてすむよう、常に自分の取り組んでいる業務のポイントを的確に把握していることが重要である。そんためには、 「木を見て森を見ぬ」 ことにならぬよう、常に広い視野で全体観を持ちながら仕事に取り組むべきである。

第2に必用なのは、その時々の集中力の度合いに見合った業務をするよう心掛けることだ。
同じ能力の人が同じ時間仕事をしたとしても、集中力に違いがあった場合、その結果は大きく変わってくるものである。仕事には密度が大切である。

しかし、よほど強靭な体力と精神力を持った人間でない限り、毎日、何時間にもわたり高いレベルで仕事に集中できるのは3時間くらいではないだろうか。

それ以外の時間は、かなり集中力が落ちるはずである。では、私を含めた一般の人間はどうすれば良いか。最も集中力を発揮できる時間を、最も深く頭を使う仕事にあてることである。

職種にもよるが、大抵の仕事には頭を深く使うべき性質のものと、作業的なものとが混在しているはずである。付加価値の高い仕事と低い仕事と言い換えた方が分かりやすいかもしれない。

例えば、コンピュータにデータを入力して表計算をするとか、社内書類を作成するとか、または業界関連記事に目を通すとかいった場合は、それほどの集中力は要求されないはずである。ある程度リラックスした状態でこなせるはずである。

その反対に、一旦頭の中にインプットした業界関連記事やデータの分析結果などをもとに、「では、どうするべきか」 といった戦略を考える時、または社内の色々な部門の現状課題などをもとに社内改革や業務のリエンジニアリング案を考える時などには高い集中力を発揮することが要求される。

仕事の最も付加価値の高い領域である。1日のうち、最も高い集中力を発揮できる貴重な時間を、記事チェックやコンピュータの入力作業に費やしてしまうなど、何とももったいない話である。

その反対に、疲れた頭で集中力を欠いた状態の時には、深い思考に基づく良い戦略や提案は生まれてこないものである。 

(つづく) 

 【 引用: ゼロからめざせ! 30代CEO、谷貝淳 】



 【 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 】


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2013年11月22日

マッキンゼーの知恵 (75) 

 今日は、マッキンゼー日本支社で大前研一氏から直接、薫陶を受け、怒鳴られながら新人時代を過ごした南場智子氏が、その後の起業にいたるドラマを取材記事からご紹介します。 

 DeNA取締役 ファウンダー、南場智子氏

 夫の看病のために社長を退任。病状回復後の2013年4月にフルタイム勤務へ復帰した南場氏。苦闘の末にソーシャルゲームという金脈を掘り当てたDeNA12年の軌跡を著書 『不格好経営』 で描き、評判を呼んだ。

 − 真面目一本の創業物語ではなく、守安功社長の前歯が欠けたエピソードなどユーモアたっぷり。読者サービスを意識しましたか。

 「 ブログでも毎回同じような感じで日記を書いていて、特に狙ったわけではない。つまらない話は嫌い、というだけだと思う。

 − 設立時にソネット(ソニー子会社のインターネット接続事業者、リクルートから出資を受けたことを反省点として振り返っています。

 「うちは資本構成でずいぶん苦しんだ。苦しんだという言い方をするとソネットさんなどにんはちょっと失礼にあたるかもしれないが、当時はよくわからないまま、ソネット、リクルートに33%ずつ出資してもらう意思決定をしてしまった。」

 − しかし1999年当時はソニーもリクルートも代表的なインターネット企業だった。そこに助けられた面も多いのでは。

 「 もちろんブランドイメージは大きく、オークションサービス開始時にはリクルートやソネットのユーザーの流入もあった。ご指摘のように当時は両社とも隆々としていたので、そういった意味ではずいぶん貢献して頂いた部分はある。

 でもユーザーを集めるだけであれば、何も出資は必要ない。おカネを払えばトラフィックは買うことができる。当時は資本金がすごく集まりやすい時期だったので、他の選択肢も考えられた。

 なのに、そうしたことを冷静に考えないままに会社を作ってしまった。だから、これから起業する人には 「他社の資本を受け入れることは慎重に」 とアドバイスしている。

 − とはいえ、そもそも起業のきっかけはソネット社長の山本泉二氏に、「自分でやったらどうだ」 と勧められたこと。ソネット出資以外には考えられなかったのでは。

 「確かにそこが出発点。当時は“ソニーがオークションへ参入” というスクープ記事が流れたぐらいで、ソニーにとっては自社事業という位置づけだったと思う。」 

 − ソーシャルゲームのライバル 「グリー」 の社名が1回しか出てきません。オークション事業立ち上げ時のエピソードにはヤフーの社名が何度も出てきますが。

 「おそらく多くの人が知りたいだろうから触れなきゃいけないのかな、とも考えた。ほかにも知りたいようなことはたくさんあると思うが、そういうものを全部そいで、自分が話したいことだけにした。

 もしグリーについて何かを書くとしたら、やはり近くのライバルはすごく大事だということ。金メダルをめざすオリンピック選手も、ライバルが身近なところにいると切磋琢磨できるというが、それと同じことだ。

 しかし私自身はグリーのことを意識していなくて、世界のジンガ、フェイスブック、グーグル、アップルを常に意識してきた。ただ国内事業の責任者は、やはりカリカリしていたと思う。会社全体はそれでいいと思う。」

 −  モバゲーに続く新事業をどう育てるかが今後の課題ですね。4月からフルタイム勤務に復帰した南場さんの役割は?

 「基本的には社長の守安にバトンタッチをしたので、その体制を側面から支援すること。できることは何でもやる。特に、提携案件など対外的なことを手がけている。

 二つ目は、社会から発展を望まれるような会社にしていくこと。グローバルシチズンとして、会社の中身をどんどん良くしていく。三つ目として採用をやっている。」

 − 社長退任前に掲げた2014年度、2,000億円の営業利益目標 (12年度実績768億円) は厳しそうですね。

 「 最後まで追い続けるし、あきらめてはいけない。その先の目標としてソーシャルゲームでナンバーワンになる。そして次は、ビヨンド・グーグル(グーグル越え) として世界ナンバーワンをめざす、という目標がある。

 ITの世界でてっぺんというのが日本から出ていないのはちょっと悔しいなと思っていて。」

 − もう一度、成長のアクセルを踏むということでしょうか。

 「 過去2年間がよくなかったとは思っていないので、そういうことではない。ソーシャルゲームで世界ナンバーワンになる体制はすでに整っている。特にグレーターチャイナ、米国、韓国では、かなりいい形になった。

 体制づくりはうまくいっている。成長のための大型M&Aをやるすれば、もう少し長い視点でビヨンド・グーグル作戦の中の1つの可能性としては考えている。

 − DeNAがここに至るまでにマッキンゼーでの12年の経験は生きていますか。

 「 それはなかったと思う。事業を行うにあたってコンサルタントの経験はまったく必要ない。99%はDeNAを創業してから学んだ。

 今、振り返ると、マッキンゼーで長く働き過ぎたのが反省点。もっと早く起業するべきだった。」 

 − マッキンゼー出身者がブランドとしてプラスになりましたか?

 「 あまりないように思う。仮に私がマッキンゼーのパートナー出身ではなかったとしても、DeNAは今と同じところまで来ていると思う。

 コンサルタント時代の私は、世の中のことを何でも知っている気になっていた。欠品した時のリスクを何もしらないまま在庫削減の指導をしていた。本にも書いたが、当時のクライアントには土下座をして謝って回りたい気分だ。

 【 不格好経営 − チームDeNAの挑戦 】



 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 
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2013年11月07日

マッキンゼーの知恵 (74) 

 マッキンゼー卒業生、業界の壁を壊す起業家の挑戦

 あらゆる種類の細胞へと成長させることが可能なiPS細胞。その増殖に欠かせない培養液を製造するリプロセルが2013年6月26日、大証ジャスダック市場に新規上場した。リプロセルはiPS細胞の培養液をはじめとした研究試薬を大学や企業の研究所に製造販売しており、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授にも提供している。

 横山周史社長は、東京大学大学院の博士課程を修了後、1996年にマッキンゼーに入社。しかし、民間でものづくりの現場をめざし1年で退社。住友スリーエムでの新規事業立ち上げなどを経て、2004年にリプロセルに転職した。

 リプロセルは細胞技術を使った次世代医療ビジネス確立を目的にベンチャーキャピタルが2003年に設立したが、当時は 「登記しただけで、どういったビジネスを展開するのかも決まっていなかった。」 まして化学が専門の横山氏にとっては、まったくの畑違い。

 大学教授へのヒアリングや事業計画の策定など、ゼロからのスタートだった。 「仕事の進め方は、マッキンゼーで学んだスキルを活用している。」

 2016年3月期の営業黒字化を目指しているリプロセルの発展のカギは海外攻略。世界合計のiPS細胞の研究費は日本の10倍以上あるとみられているからだ。最先端の研究のサポート役として、事業拡大に力を注ぐ。目標は “医療をつくりかえる” ことだ。

 2011年入社の正井貴取締役もマッキンゼー卒業生だ。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 騎手養成学校から東大、マッキンゼーへと転身し、30歳でミクシイの社長へと、異色の経歴の持ち主が2013年6月にミクシイの新社長に就任した朝倉祐介氏だ。

 生まれは兵庫県西宮。小学生の頃から、近くの阪神競馬場によく足を運んだ。「武豊や安藤勝巳の活躍を見て、騎手にあこがれた。」

 騎手をめざした朝倉氏は、中学卒業と同時に単身オーストラリアの旗手養成学校に留学。だが、成長期で身長が10センチメートル以上伸びたため、夢をあきらめ1年で帰国した。

 マッキンゼーに入ったのは、東大卒業後の2007年。在学中、すでにITベンチャーのネイキッドテクノロジーを立ち上げていたが、経営の勉強をしたいと考え入社した。

 「腕一本で食っていける職人的な生き方にあこがれる。騎手をめざしたものの、ネイキッドを設立したのも、そうした考えから。コンサルタントなら、独立して稼げると思った。」

 マッキンゼーには3年半在籍。 「やはり事業をやりたい」 と戻ったネイキッドが、2011年にミクシイに買われ、同社の経営陣に加わった。

 SNSの先駆けとして一世を風靡したミクシイは目下、低迷中。 「出資、社内提案などを通じて新事業を創出し、成長軌道に乗せたい」 と意気込む。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 日本交通の川鍋一朗社長がマッキンゼーを退社して家業に戻ったとき、会社は火の車だった。父、達郎氏が不動産投資に手を出した後バブルがはじけ、負債は約1,900億円。最悪のタイミングで入社した3代目は、大胆な資産売却や不振事業の見直しを進め、負債を1,000億円以下にまで減らしてきた。

 創業家出身であることに加え、妻は中曽根康弘・元首相の孫。典型的なセレブの川鍋氏も、マッキンゼー時代は暗中模索の日々だったという。

 「会議についていけず、何もしゃべれない。黙っていたら “発言しないなら、いなくていい” と上司に怒られた。」

 川鍋氏には心に深く刻まれているマッキンゼー用語がある。「ポジションを取れ」 だ。意見を聞かれたら、十分に知らなくても、必ずイエスかノーか、答えろということだ。

 「コンサルタントは向いていなかったと、つくづく思う。」 と振り返る川鍋氏だが、社長就任後は、情報が足りない中でもポジションを取る、マッキンゼー時代の仮説思考の重要性が、腑におちてきたという。

 「経営は毎日が問題解決の連続。日々役立っている。」

 同じ1997年に入社した瀧本哲史氏 (京都大学客員准教授) は川鍋氏とともに日本交通に入社。経営再建で大いに助けられた。

 財務改善にメドが立った川鍋氏は、攻めの経営に転じ始めた。2013年5月からは天井部をガラス張りにして景色を一望できるようにした観光タクシーを開始。タクシー業界を一新する、3代目社長の改革は続く。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 「ナミキンゼー」。卒業生の間でそう呼ばれているのが、並木裕太氏が設立したコンサル会社、フィールドマネージメントだ。2000年に入社し、当時最年少でアソシエイトプリンシパルまで昇進した並木氏は、優秀な若手コンサルタントを引き連れて2009年に独立した。

 フィールドマネージメントはコンサルとファンドの中間体のような会社だ。たとえば同社がかかわった楽天チケットの場合、前身のオンラインチケット会社を自ら設立。軌道に乗せた後、楽天に売却した。

 現在も、執行役員の松居健太氏を社長として出向させている。
「どんな完璧な戦略提案も、実行されなければ意味がない。実行にまで関与するために、自分たちもリスクを取る。」(並木氏) 

 働き方も多様だ。約20人いるコンサルタントのうち、3分の1は非常勤で、別の仕事を持つ。マッキンゼー時代の後輩である井上裕太氏は、IT系雑誌の契約記者として、シリコンバレーで取材を行う。IT企業の社長なども籍を置く。

  並木氏は人と人とを結び付ける、次世代のインフルエンサーだ。日本交通の川鍋氏やITベンチャー、スポットライトの柴田陽社長など、多くの卒業生とつながる。

 今年、Jリーグのヴィッセル神戸 (クリムゾンフットボールクラブ) に誕生した35歳の清水克洋社長も、やはりマッキンゼー時代の後輩。並木氏が楽天の三木谷浩史社長に紹介し、2008年に入社した。

 清水氏は事業開発室長として、従来招待席だったVIP席の改装や一般販売を行うなど、新商品の開発を行ってきた。J2降格が決まった昨年末、三木谷氏に社長就任を命じられた。

 「1年でのJ1昇格が至上命題。中期的には、資金援助に頼らずに、自立した経営ができるようにもしたい。」 (清水氏) 

 DeNAの南場智子氏、今年7月に世界銀行に移った本田桂子氏など、女性の活躍も顕著なマッキンゼー。医療コンサル・メディヴァの大石佳能子代表も、その一人だ。

 日本生命保険を退社し、ハーバード大学への留学を準備中、茂木敏充氏からのヘッドハンティングを受け、留学後の1988年に入社した。

 マッキンゼーでは、持ち前の営業力を生かし、グローバル企業の新規案件を日本支社でいくつも獲得。入社5年でパートナーに昇進した。

 「大阪生まれで祖父は商売人。儲けてナンボのスピリッツはある。」 
消費財を中心に手掛けてきたが、子供を出産する際に病院の運営のまずさを痛感。2000年に独立し、医療コンサルの世界に飛び込んだ。

 「消費財分野で活躍するより、そのノウハウを別の領域で生かすほうがバリューが出ると思った。」

 大石氏が導入したのは、コンビニ業界の案件で学んだボランタリーチェーンの仕組み。フランチャイズと違い名称の統一はしない一方で、購買やITシステムを共有化する、緩やかな連帯の仕組みだ。

 「医療法人は株式会社ではないため、経営統合の仕組みが確立されておらず、非効率な中小の病院が多い。」

 メディヴァは、東京、神奈川のクリニックと提携し、在宅医療のネットワークを形成。現在50人の医者で約2,000人の患者を診る。

 これは経営の効率化と同時に、超高齢化社会に求められる医療体制の構築をめざす試みだ。在宅医療は、高齢者や末期のがん患者を自宅で看病し、看取りまで行う訪問医療。国の財政が危機的な中、高齢者の入院医療には限界があり、需要は今後大きく伸びるとみられている。

 だが、24時間の対応が求められているため医師の負担が重く、 「1人で3年やると、うつ病になる医師が多い。情報を共有化し、集団で対応する仕組みを作っている。」

 今後は別の地域でも、ITシステムやコールセンターなど、共有できるインフラ部分については貸し出して、ネットワークを広げていく。

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 

 【 なぜマッキンゼーの人は年棒1億円でも辞めるのか − ロコンド社長、田中裕輔 】

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2013年10月30日

マッキンゼーの知恵 (73)

 マッキンゼー出身の起業家

 オイシックス創業者、高島宏平社長

 有機野菜や青果物のネット通販、宅配を手がけるオイシックス (2013年3月に東証マザーズに株式上場)を創業した高島宏平社長は、横浜の聖光学院から東大工学部、さらに大学院に進み、1998年にマッキンゼーに入社。2年後の2000年にオイシックスを立ち上げた。

 “大学院時代に 「プチ起業」 ”

 ― 東大の学部時代、就職活動はしなかったのでしょうか?

 「 いわゆるエリートのレールに乗っている自分に対する、恐怖心みたいなものがすごく強かったんです。このまま、東大卒業生によくある人生になっちゃうことへの恐怖感ですね。プラス、あまり就職観というものがなくて、就活にも出遅れてしまった。

 インターネットに最初に触れたのは4年の頃でしたが、正直、やりたいことも定まらない感じで、気がついたらもう、就活は終盤戦。そこで大学院でも行くかと(笑)。しかし、大学院時代もあまり学校には行っていなくて、代わりに仲間と立ち上げたのが 「Co. HEY!」 という会社で、いわば会社ごっこを始めました。

 とはいえ事業計画も何もなし。インターネットを使ったイベントの生中継、たとえば世界鉱山サミットというのがあって、これは秋田県で行われたんですが、これを全世界に配信してみたり。

 ともかく、最初は遊びで始めたビジネスが面白くて、仲間と一緒に何かを達成することが非常に性に合うと思ったんです。あとは企業のホームページづくりなども手がけていました。ただ、サークルみたいなノリでしたから、当時は偶然うまくいっていたものの、計画性も何もないので今後、学生の延長線では大きな成功は望めないだろうと。そこで会社勤めをすることになりました。

 マッキンゼー以外にも商社など5,6社受けましたが、商社では5年ぐらいの修行の身で下積みでしょう。そんなに時間はかけられない。マッキンゼーが一番早く内定を出してくれたということもありますが、3年間、こき使われて密度の濃い時間を遅れそうだと考えた結果、マッキンゼーに決めました。

 結局、在籍期間は2年間でしたが、入社後の直属の上司が南場智子さん(DeNA創業者) で、一緒にIT関連事業のコンサルの仕事をさせて頂きました。当時、マッキンゼーでもIT系の仕事が急増していた時期でしたので、とてもいい経験になりましたね。

 大学院時代の仲間とも、「一度、ビジネスの世界で勉強してこよう。」 と言ってましたので、僕は僕でマネジメントを学びに行くし、システムを担当していた人間は、勉強のために日本IBMに行きました。メーカーや金融機関に行った者もいます。

 それぞれが、違う専門知識を身に付けた上で、再び集まろうと約束したんです。」

 “食にこだわった理由”

 − マッキンゼーを辞める時、両親には反対されませんでしたか?

 「 事後報告で、辞めてから1か月して伝えました。家の両親はもともと放任主義で、 「どんな選択をしてもいいけど自分で責任を取りなさい」  というタイプでしたし、僕自身、他人と人生を比較しないという人生観がありましたから。」

 − マッキンゼー入り後、どんな事業で起業するかは、かなり早い段階で決めていたのでしょうか。

 「 インターネットを使って世の中を変える仕事、というのはいろんな人が考えると思います。僕はその中で、衣食住に密着したビジネス、それも、あったらいいとか便利なではなく、なくてはいけないものでチャレンジしたかったんです。

 ネットとの親和性で真っ先に挙がるのは旅行や金融ですが、それだけ競争も多い。その点、食品分野はサプライチェーンが複雑で、生産者と消費者との距離も遠いでしょう。そこに有機や無農薬の商品で勝負すればマッチングの相性もいいと考えました。」

 − 学生たちにどんなメッセージを送っていますか。

 「 学生の選択肢は、就職か起業かの二者択一で、起業となるとイコール社長とばかり考える人が多いんですね。中には、“起業も考えたいけど、自分は社長に向いていないから” と言ってあきらめる人もいます。でも、本当にそれでいいのか、と。

 僕の場合は最初から社長ということが念頭にありましたけど、そうじゃない選択肢もあるはずです。たとえば、起業の立ち上げメンバーになって、ファイナンスでもいいしマーケティングでもいい、何らかの部門のスペシャリストになればいいんです。

 会社は社長一人では回っていきません。ほかに、大事な役回りを担う人は何十人と必要なはずです。そこで、会社がいい組織、いいチームになっているかどうかが問われるわけですから。」

− 高島さんが起業したのは20代半ばですが、最近の若手起業家の中にも東大出身者がいます。当時と比べて相違点はありますか?

 「 ソーシャルゲーム系を例にすれば、善し悪しではなく、昔に比べて起業が手軽になった気はしますね。起業というよりは趣味の延長からスタートしたみたいな。

 いまの若い人はネットのプログラミングができるという武器がありますから、楽しく軽やかな印象といってもいいですね。僕らの世代だと、もっと歯をくいしばってやる感じがありました。

 その分、事業を大きくしたい、成長したいという欲求は、僕らのほうが強いかもしれません。」 

お見合いパーティー・婚活パーティー・合コン・街コン・楽しいイベント盛りだくさん!


 【 なぜマッキンゼーの人は年棒1億円でも辞めるのか − ロコンド社長、田中裕輔 】

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2013年10月22日

マッキンゼーの知恵 (72)

 各界で活躍するマッキンゼー・マフィア (卒業生)

 製造業や小売業、農林水産業などの実業に従事していらっしゃる人たちからは、
 
 「 金融業は虚業だ。あいつらいったい何をして社会に役立って金を儲けているのかよく分からない。」  

 という声をよく聞きます。それはそうでしょう。オフィスに机と椅子と電話とパソコンがあって、現物が動いているわけでもないのに、お金だけは儲けているからです。ペーパーマネーの世界です。

 現物を扱い、汗水たらしてお金をかせいでいる人たちから見れば、金融業は虚業に見えるのかもしれません。

 しかし、僕から見ると、自分たちよりはるか上を行く虚業 ( いや失礼 ! 
頭脳産業と呼ばせて下さい! ) が、マッキンゼー社やBCG ( ボストン・コンサルティング・グループ )、ベイン・アンド・カンパニーといった戦略系コンサルティングファームです。

 オフィスに机と椅子と電話とパソコンが置いてあるところまでは金融業と一緒ですが、そこに一日15時間以上も働く優秀な社員が大勢いて、高いフィーを稼いでいく。なぜそんなマジックができるのか? 不思議で不思議で仕方がありません。。。

 その高度な ”頭脳産業” の秘密に、公開情報を基に徹底的に迫っていくのがこのシリーズです。

 さて、マッキンゼー社は、米国では、生き残りの極めて厳しい会社であることも知られていますが、おっとどっこい、退社してからも各界で大活躍されている人が大勢います。

 こうして改めてマッキンゼー人脈を見てみると、その頭脳産業の凄さを実感します。日本の経済に大きな影響を与えているのが分かります。


  ≪ 日本支社の創生期メンバー ≫

大前研一 (72−94) 元日本支社長、ビジネスブレイクスルー大学院大学学長
横山禎徳 (75−02) 元日本支社長、OBたちの父親的存在
斎藤顕一 (75−95) フォアサイトアンドカンパニー代表取締役
安田隆二 (79−95) 現・ソニー取締役、一橋大学大学院教授
藤井清考 (81−85) ヘイロー・ネットワーク社長

≪ビジネス・ブレークスルー大学院人脈≫

高橋俊介 (84−87) 慶応大学特任教授
宇田左近 (89−06) 原子力損害賠償支援機構参与
門永宗之助        Intrinsics代表
都村長生         C.M.A代表

≪大阪府市人脈≫

上山信一 (86−00) 慶応大学教授
余語邦彦         元カネボウCEO
大津直樹 (85−05) ルートエフ代表
太田薫正         (B&Company 代表取締役) 
池末浩規         パブリックパートナーズ代表

≪政治家≫

茂木敏充 (83−91) 経済産業相
江端貴子         前衆議院議員
安井美沙子       参議院議員

≪企業家≫

近藤正臣ジェームス (90−04) Twitter Japan代表
田中裕輔      (03−10) ロコンド社長
清水昇               クインタイルズ社長
渡辺健介              デルタスタジオ社長
西山浩平              エレファントデザイン社長
高島宏平   (98−00)    オイシックス社長
南場智子   (86−99)   DeNA 取締役
川田尚吾             DeNA 共同創業者、元COO
渡辺雅之   (97−99)   DeNA 共同創業者、現・Quipper CEO
横山周史   (96−97)   リプロセル 社長
谷村格    (87−00)   エムスリー 社長
木南陽介             リサイクルワン 社長
辻本大輔             リサイクルワン 取締役
川鍋一朗   (97−00)   日本交通 社長
朝倉祐介   (07−10)   ミクシイ 社長
柴田陽    (07−10)   スポットライト 社長
並木裕太   (00−11)   フィールドマネジメント 代表取締役
大石佳能子  (88−00)   メディヴァ 社長
岡島悦子   (01−02)   プロノバ 社長
勝間和代   (98−03)   経済評論家
安宅和人   (93−08)   ヤフー 執行役員 

≪ファンド・コンサル系≫

平野正雄   (87−03)   カーライル 元日本代表
安達保    (88−97)   日本共同代表
及川直彦   (01−04)   電通コンサルティング 社長
小森哲郎   (84−02)   ユニゾン・キャピタル マネジメント・アドバイザー
川崎達夫    (94−98)   ユニゾン・キャピタル パートナー
立野公一    (99−04)   ユニゾン・キャピタル パートナー

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 

 【 マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密 】



 ところで、今日は僕がいつも楽しみに読んでいるブログをご紹介します。元気が出ます。
http://muraiyosuke.hatenablog.com/entry/20131015/1381789640
 ”AB型社内自由人ムライの万華鏡”

 彼はシンクタンクや経営コンサル、IT系新興企業で活躍してきた若手で、自由な発想と好奇心の豊かさを武器に、さまざまな自己啓発を学び、ブログにアップしています。TMEで出会ったのですが、インテリでありながら、マッチョな男らしさを兼ね持つナイスガイです! 
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2013年10月15日

マッキンゼーの知恵 (71) マッキンゼーの入社試験問題 

 コンサルタントに不可欠な問題解決能力を測るために行われるのがケース面接。下記にマッキンゼー社の英文ホームページに掲載されていた試験問題を掲載する。あなたならどう回答するか?

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 下記の概要を踏まえ、質問に答えなさい。

 ∇ クライアントは売上高100億ドルの製薬大手オールドファーマ社。本社と主要な研究開発センターはドイツにあり、世界中に販売拠点を持つ。

 オールド社は現在の主流である低分子医薬品の研究開発・販売で成功を収めてきたが、急速に成長しているバイオ医薬品市場への参入に興味を持っている。バイオ医薬品の研究開発は低分子医薬品とかなり違っており、研究開発能力を得るためには、ゼロから立ち上げる、ベンチャーと手を組む、ベンチャーを買収するという選択肢がある。

 競合他社はすでにオールド社の数年先を行っており、オールド社は米国サンフランシスコに拠点を置くベンチャーのバイオフューチャー社を買収して一気に事業を立ち上げたいと考えている。

 バイオ社は著名な科学者たちによって12年前に設立され、従業員数は200人。上場しており、時価総額は10億ドルだ。オールド社はバイオ社買収の評価と、バイオ社をオールド社のバイオ医薬品戦略に適合させるためのアドバイスを依頼してきた。

 オールド社はバイオ社を買収すべきか?

 === Q1 ===
 オールド社がバイオ社を買収するべきか評価するとき、どういった要因を考えなければいけないか。

 === Q2 ===
 バイオ社のパイプライン (医薬品候補化合物) を調べる。最初に、現在の薬のポートフォリオや、継続的に薬を生み出す能力といったバイオ社のパイプラインの価値を評価することを決めた。評価に当たり、考えるべき課題は何か?

 === Q3 ===
 次に買収後のバイオ社の体制について調査する。バイオ社の現在のパイプラインは比較的限られたものだが、オールド社の研究開発資産と統合したとき、この先10年でたくさんの新薬候補を生み出すバイオ研究のエンジンとなる能力に、オールド社は高い関心を示している。両社の研究開発機能を統合したときのリスクとして、どのような仮説を立てるか。

 === Q4 ===
  買収後、オールド社はバイオ医薬品の研究開発を1カ所に統合する必要があると考えている。オールド社の本社はドイツにあり、バイオ社はサンフランシスコにある。オールド社はバイオ医薬品の施設や本部をドイツには持っていないので、新しい施設を作らなければならない。この決定についてどう思うか。

 ===Q5===
 統合の障害について調査すると、オールド社の最大の競争相手の1つであるドラッグマックス社がバイオ社とすでに提携していて、彼らの新薬候補の開発コストと利益を折半することで同意していた。

 そこで、オールド社はドラッグマックス社の50%の取り分を買い取ることを検討する。この最初のステップとして、オールド社は新薬候補の潜在的な最大の売上高を見積るように依頼してきた。それは非ホジキンリンパ腫の新薬候補だ。

 毎年、米国男性の10万人に25人、米国女性の10万人に15人が非ホジキンリンパ腫と診断されている。以下の情報も踏まえ、この新薬候補の米国でのピークの売上高を見積もりなさい。

 ● 米国の人口は3億人で女性と男性の割合は半々
 ● 服用期間は90日で1日分の価格は500ドル
 ● 25%の市場シェアを獲得すると見積もっている。

 === Q6 ===
 契約してから3日目、あなたはオールド社の幹部と偶然会った。彼は買収に対する見方や次のプランについてたずねてきた。どう答えるか?

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 
 
   解答

 A1 □ パイプライン(医薬品候補化合物)の価値、開発中の薬の数や成功する見込み、収入や利益の見込み
  □  マーケティング力や販売力
  □  買収価格
  □  バイオ社とオールド社の関係
  □  両者のバイオ医薬品における研究開発や販売力の差
  □  買収ではなく提携する、ほかの企業を買収するといった選択肢はないのか

 A2 □  薬が市場に出るまでにかかる研究開発のコスト
  □  販売する薬の潜在的な価値 (市場規模、シェア、製造や販売のコストなど)
  □  リスクレベル (薬の効果の証明や規制当局の許可、副作用や法的リスクなど)

 A3 □ 病気の治療に対する研究者の関心や専門知識が合わず、協業できない
  □ プロセスを中心に動くオールド社の文化が、バイオ社の起業家的な文化を殺してしまう。
  □ コミュニケーションや情報共有を妨げる言葉の壁
  □ 9時間後の時差から生まれる経営の失敗や共同体意識のなさ
  □ 買収後に優秀な研究者がバイオ社を去ってしまう

 A4  ドイツに統合する利点について説明する場合
  □ オールド社におけるバイオ医薬品以外の研究開発での協業効果を期待できる
  □ マーケティングや製造など他の部門での協業効果を期待できる
  □ バイオ医薬と従来の研究開発部門が交流しやすくなり、独自の能力や知識を移植できる
  □ バイオ社の研究開発能力をオールド社に統合しやすくなる
  □ 研究者の移動が少なくて済む
  □ ドイツとサンフランシスコで最先端の研究者を採用しやすくなる
  □ バイオ社の起業家精神を維持しやすくなる
  □ 製造や研究開発の拠点を改装する必要がない

 A5 □ 期待できる最大の売上高は6.75億ドル
   米国人口の1.5億人が男性、1.5億人が女性とすると、男性は3.75万人、女性は2.25万人、合計で
   年間6万人が非ホジキンリンパ腫と診断される。

   1人あたりの収入は、服用期間が90日で1日の費用が500ドルなので、4.5万ドル。したがって米国の   潜在市場は27億ドル。うち25%のシェアなので、6.75億ドル。

 A6 □ 買収するかしないか正解、不正解はなく、議論の組み立て方もたくさんある。以下は回答の一例。

 バイオ社の買収はオールド社に2つの大きな価値をもたらす。1つはバイオ社が現在持つ化合物、もう1つはオールド社に研究開発を統合することによる潜在的な価値だ。

 バイオ社の現在のパイプラインに関して言えば、ドラッグマックス社という競合と新薬候補について提携しており、買収する際には考慮しておく必要がある。私たちはほかの潜在的な相乗効果を探っているが、それだけでは現在のパイプラインから導き出された純粋な買収コストを正当化できそうもない。

 アップサイドの大きな要因は研究開発を統合することによる長期的な利益だ。ただ、これにも2つの組織文化が併存すると言う重大なリスクがある。したがって、次のステップとしてわれわれは2社の文化の違いを橋渡しできるのか、異なる統合オプションのよい点と悪い点、バイオ社の新薬開発の成長性がもたらす価値について理解したいと思っている。

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 ところで、今日は僕がいつも楽しみに読んでいるブログをご紹介します。元気が出ます。
http://muraiyosuke.hatenablog.com/entry/20131015/1381789640
 ”AB型社内自由人ムライの万華鏡”

 彼はシンクタンクや経営コンサル、IT系新興企業で活躍してきた若手で、自由な発想と好奇心の豊かさを武器に、さまざまな自己啓発を学び、ブログにアップしています。TMEで出会ったのですが、インテリでありながら、マッチョな男らしさを兼ね持つナイスガイです! 

 

 【 マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密 】


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2013年10月08日

マッキンゼーの知恵 (70)

 マッキンゼーに求められる人材とは?

 コンサルティングファームにとって、最大の資産は言うまでもなく優秀な人材だ。当然、採用と育成は非常に重要になる。

 そもそもコンサルティング業界は就職人気が高い。特に最近は、「元気のない日本企業の力になりたいという理由で志望する人も増えている。」(コンサルティング業界への転職支援会社 ムービンストラテジックキャリア)

 トップファームであるマッキンゼーなら、なおさらだ。高いビジネススキルが身に付く。若いうちから国内外の大企業を相手に仕事ができるといった理由で、さまざまな能力に秀でた人が集まりやすい。

 給料も魅力の一つだ。新卒はビジネスアナリスト(BA)として、コンサルタント人生を始める。BAの年収は600万円前後といわれ、次のアソシエイトに昇格すると1,300万円前後にはね上がるようだ。

 マッキンゼーは応募者や採用人数などを明らかにしていないが、日本支社への応募は毎年数千人規模、そのうち採用されるのは20人〜30人程度とみられ、非常に狭き門である。では多くの応募者の中から、どのような基準で選んでいるのだろうか?

 採用にかかわっている岩田林平プリンシパルによると、重視するポイントは、@問題解決力、A目標達成力、B人を引きつける魅力、Cリーダーシップの4つだという。これらを複数回の面接を通じて見きわめる。

 “ 論理力・分析力は必須。能力の伸びしろを重視“

 新卒の場合、内定までの選考が多く、志望者をどんどんふるいにかけていく。試験の内容は分析力や論理力を見るものが多い。最初に行われるのが書類選考とPSTと呼ばれる筆記試験だ。

 PSTは問題・回答とも英語。コンサルタントが会社の経営改善を進めるストーリーで、グラフの分析や市場シェアなどを求める計算問題が多い。それを通過すると1次選考となる。内容は論理力や分析力が問われるケース作文と面接、英会話力のチェックだ。

 2次選考ではケース面接が2〜3回行われる。外資系なのでケース面接は英語だと思われがちだが、実際は日本語で行われる場合が多いという。それらを通じて、志望者の思考能力やリーダーシップなどを評価する。

 新卒採用に携る岩谷直幸プリンシパルは、 「語学力は後から習得できる。これまでの人生でどんな困難を乗り越えて何を達成してきたのか、新しいトピックが出たときにすぐに理解する思考の柔軟性など、その人の素地を見ている。」 と話す。

 ケース面接を突破した者には、5日間のインターンシップを実施する。志望者を複数のグループに分けて課題を与え、解決策をチームで考えて発表させる。ここでは、前述した@〜Cの基準や初日から最終日までの成長度合いなどを見て内定者を決める。

 新卒の募集開始は毎年9月で、書類選考から内定までの期間は1〜2か月。なおマッキンゼー以外のファームも同様の形式で選考している。

 中途採用の場合、過去の採用実績を見ると、大学院の博士課程まで進んだ研究者やエンジニア、公務員など職歴は幅広い。ただ応募が多いのはMBA(経営学修士)取得者のようだ。

 というのもマッキンゼーは、これからビジネススクールへ留学する人たちへの会社説明会や上位のビジネススクール向けのサマーインターン (新卒採用では不実施) 説明会を実施したり、MBA課程在籍者が多く集まる米国の就職イベントであるボストンキャリアフォーラムに参加したり、と積極的に採用活動を行っているからだ。

 まず書類選考とPSTを実施 (米国MBA課程在籍者はPST免除)。通過者には1次選考で1〜2回、2次選考で2〜3回のケース面接を行い、通過すれば内定となる。

 面接でのポイントは、前職での肩書や実績ではなく、リーダーシップや問題解決能力の “伸びしろ” だという。たとえば、MBAの講義の中でどのようにリーダーシップを取ったのか具体的に話してもらうと、その人の今後の考え方やキャリアパスが見えてくるのだそうだ。

 ほかにも 「われわれが “スパイク” と呼んでいる、ほかの人よりもとがったところや輝いているところがあると、かなり引き付けられる。」という。

 “昇格できない者は去れ ( Up or Out ) 求められる成果”

 こうして選び抜いた人材を、マッキンゼーはさらに鍛え上げる。基本は仕事をしながらの教育だ。コンサルタントに求められる仕事は質が高く量も多い。新人でも朝から深夜まで働きづめというのは珍しくない。

 その中で、分析のしかたや資料の作り方、コミュニケーションの取り方など必要なことを叩き込まれ、よかった点や悪かった点はすぐに本人に伝えられるシステムになっている。

 またパートナーや準パートナーの一人が相談相手となるメンター制度があり、自分の希望や今後のキャリアなどについて定期的に話し合う機会が設けられている。研修も充実させている。世界中のコンサルタントが集まるグローバル研修のほか、個人のスキルを上げるものも豊富に用意している。

 たとえば、メンターなどとの話し合いで英語力が足りないとなれば、海外の語学学校に短期留学させることもある。その間はコンサルタントとしての業務はなく、学費はマッキンゼーが負担し、給与も出る。

 コンサルタントにとって、スキルを磨くには恵まれた環境だが、当然成果が求められる。 「Up or Out (昇進できない者は去れ)」 の文化が根付いているのだ。

 大学や大学院を卒業後、BAで入社すると、アソシエイト昇格までの目安は約3年とされ、プロジェクトへのアサイン (声掛け)が減ることで辞めていく人は多い。ほかにやりたいことを見つけて、起業する人や事業会社に転職する人もいる。

 この新陳代謝の激しさが、マッキンゼーの人材輩出力につながっている。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 
 
  マッキンゼー社の序列


 @ ビジネスアナリスト(新卒)、ジュニアアソシエイト (第2新卒) → 約3年
 A アソシエイト (中途入社はここから) → 約3年 
 B マネージャー → 約3年 
 C アソシエイトプリンシパル → 約3年 
 D プリンシパル → 
 E ディレクター (プリンシパルから上がパートナー/ 経営者 ) 

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 

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2013年10月02日

マッキンゼーの知恵 (69)

市場価値の高め方

 “修羅場の体験が必要”
 岡島悦子、プロノバ社長
 
 三菱商事、マッキンゼーを経て2002年にグロービス・マネジメント・バンク立ち上げに参画。2007年から現職。筑波大学卒、米ハーバード・ビジネススクールMBA

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎  

私がマッキンゼーに在籍していたのはわずか1年半なので、「マッキンゼー流仕事術」 を語るのは適任ではない。そこで、多くのマッキンゼー卒業生の転職のお手伝いをしてきた経験から得られた 「経営のプロに求められる能力」 について説明していこう。

 下の図は経営のプロに必要な力を7つの要素に因数分解したもので、このうち主にマッキンゼーで訓練するのは A 論理的思考力、B 伝える力、C 経営スキルだ。

 これらは学習で伸びる要素で、プロアスリートが特別な環境下で徹底的に心肺機能を鍛え上げるのに似ている。マッキンゼーだけが特別なのではなく、ボストンコンサルティンググループなどでも同じような能力が身に付く。

 とはいえ、こうした名門コンサルティング会社に勤務した経験が即、経営のプロとしての市場価値に結び付いたのはかなり昔の話。MBAと同様、相対的な市場価値はかつての方が高かった。

 その理由は、 「秘伝のレシピ」 ともいうべき問題解決能力や経営知識が幅広く開示されるようになったことと、経営課題の複雑性が増しているためだ。市場価値を高めるためには、それ以外の要素を引き上げることが重要だ。

 このうち、コンサルティングを行っているだけではなかなか身に付かない要素が D実行力と E人間力、だ。これは当事者として経営の意思決定に参画することによって身に付くもの。

もちろんコンサルティングでも、客先に常駐してインプリメンテーション (実行) を行う際にはこうした能力は鍛えられるが、経営の当事者として意思決定し、人に動いてもらい、実行し、結果を出すということは、コンサルとはまったく違う。

 組織内における権力闘争、多数派工作などの修羅場をくぐり抜けることで身に付くのが実行力、人間力だ。

 特に難しいのが人間力。社員を動かすためには、共感を得て納得させ動機づけることがカギになる。社員たちが感じていることは何なのか、インセンティブの源泉は何なのか。

 これを私は 「心のスイッチ」 と呼んでいるが、それを見つけ出せなければはじき飛ばされてしまう。

 20代が陥りがちな落とし穴が、コンサルタントとしてのスキルを身に付けた途端、経営のプロとして通用すると勘違いすることだ。そのため転職を考えている若手コンサルタントが相談に来た場合、過不足なく能力を評価してくれるような同じキャリアパスで働く先輩がいる会社や、投資先をハンズオンで支援する育成型ファンドへ行くようアドバイスしている。

 いきなり一人でクライアント側に行っても何もできずに潰れてしまうケースを多く見てきたためだ。遠回りに聞こえるかもしれないが、一回ステップを踏んだほうがいい。

 もう一つ、20代のうちに考えておくべきことは、早回しでのキャリア形成。知識やスキルに加え、業務上の実績とその再現性で市場価値が決まるため、チャンスが回ってきたら最後までやりきることが必要だ。

 早回しでキャリア形成を行うと30代、40代になってから、取り組める仕事に大きな差がつく。経営のプロとしての市場価値を念頭に置いたキャリアパス選択をお勧めしたい。

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎  

 “経営のプロに必要な7つの力”

@ 変化抽出力 x {A論理思考力+B伝える力+C経営スキル} x {D実行力+E人間力} x F仕事に対する情熱・仕事を楽しむ意識

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 

 【 マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファームの秘密 】


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2013年09月25日

マッキンゼーの知恵 (68)

【 連載記事は、下記のカテゴリー欄より通してご覧になれます 】

課題設定能力を鍛える

 “現象と課題を分析せよ”

 横山禎徳 (よこやまよしのり)、元マッキンゼー日本支社長、社会システムデザイナー
 東京大学工学部卒、米ハーバード大、MIT(マサチューセッツ工科大)スローンスクール等を経て、1975年にマッキンゼー入社。

  ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 今二つの相互連鎖が起こっている。グローバル化と、産業内の垣根の溶融だ。グローバル化は世界が日本にしみ込んでくる現象であり、「海外なんて関係ない」 という人でも、知らないうちにそのシステムに組み込まれてしまう。

 分野の相互連鎖も避けられない。スマートフォンがどれだけの産業を浸食したか。デジカメ、ゲーム、カーナビ、出版・・・数えきれないほどだ。かつて変化は10年スパンで起きたが、スマホはわずか3年で世の中を変えてしまった。

 こうした相互連鎖による世の中の変化に対し、今までの知識や経験では対応することが難しい。そこで重要になるのが、課題設定能力だ。

 皆さんは 「少子高齢化」 という言葉を使っていないだろうか。わたしに言わせれば、こんな言葉を使っているかぎり、問題は全く解決しない。

 少子化は、社会・経済学的な問題だから、政策で改善できる。実際、フランスなどは出生率を2以上まで上げることに成功した。一方、高齢化は生物学的現象だ。たとえどんなに努力しようと、われわれは1年後には必ず1歳年を取る。

 こうした因果関係のない、まったく別の問題を一緒くたにして問題にすると、有効な答えを出すこともできなくなってしまう。つまり、いかに適切な課題設定をするかが答えの質を大きく左右するのだ。

 陥りがちな 「問題の裏返し」 のわなも、課題設定を誤った結果だ。たとえば “市場シェアを回復しろ” と命令する。ところが、シェアの低下は 「現象」 であって、根本の 「課題」 ではない。

 課題は、たとえば製品の競争力の低下だったりするわけだ。

 こうした新しい思考能力の訓練の場として、2008年にはじめたのが、東京大学EMP (エグゼクティブ・マネジメント・プログラム) だ。40代の大企業中堅層など社会人を対象に、週2日、半年間の講義を行い、授業料は600万円だ。

 “45歳はキャリアの分岐点 守りの姿勢を崩したい”

 なぜ40代なのか。経営者候補の育成のためなどではない。将来的には定年年齢はさらに上がる。45歳はいわば、キャリアの分岐点だ。ギアチェンジをして、後半戦を戦ってもらいたいと考えた。

 大企業で働く優秀な40代は、すでに守りに入っている。30代で評価は決まっていて、本人が意識していなくても、その評価を傷つけないようにという姿勢になっている。それを壊してやりたい。

 初めの講義で 「あなたたちは、自分が何を知らないのかを知らない」 と私は言う。45歳で何でも知っていると思うなと。だから物性科学など、 「ツルツルの壁」 のような講義も用意してある。

 つめも引っかからないような、難解な授業。だが、それでいい。きっかけができ好奇心が広がっていく。新聞を読んだときにも、目に入ってくる。それが大事なのだ。

 EMPではプロフェッショナル論も教えている。プロの起源は聖職者で、その後、医者や弁護士に広がり、19世紀にきちんと定義づけがなされた。

 コンサルタントもプロのひとつ。私は 『 マッキンゼーの1年は世間の3年と思え 』 と言っていた。世間では10年かけてプロになればいいかもしれないが、マッキンゼーでは3年でやれ、ということだ。

 日本人の体内時計は、あまりにも遅すぎる。スピードを速めないといけない。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎  
 
 課題設定の秘訣

 ● 「少子化」 と 「高齢化」 という、別々の現象を混同した 「少子高齢化」 のような課題設定をしない

 ● 「シェアの低下」 に対し 「シェアを回復する」 といった、問題の裏返しをしない。

 ● 「自分が何を知らないか」 を自覚し、知的好奇心を刺激する。 

 ( 引用: 週刊東洋経済 マッキンゼー学校 最強メソッド&全人脈 ) 

 【 なぜマッキンゼーの人は年棒1億円でも辞めるのか 】

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2013年09月15日

マッキンゼーの知恵 (67)

 【 連載記事は下記のカテゴリー欄より通してご覧になれます 】

情報を収集し整理する 
“ 分類すれば課題が見えてくる”

 フォアサイトアンドカンパニー代表取締役 斎藤顕一
 − 1949年生まれ、国際基督教大学卒、1975年マッキンゼー入社。パートナー、大阪支社副支社長を歴任

◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

 本質的課題 (イシュー) を発見するまでの流れは、情報収集、分析、整理統合という3つのプロセスから成る。

 3〜4か月程度のプロジェクトで、自社の問題解決を行うのであれば、最初の2〜3週間で情報を収集し、1か月目の終わりにイシューを発見することを目安にするといい。

 情報収集の中心はインタビューだ。多くの企業がすでに持っている情報では、他社と差別化をする戦略は立てられない。新しい戦い方を始めるには、まず新しい情報が必要だ。

 たとえば社内の各部門20〜30人、顧客20社程度を対象に、自社の抱える問題点について、話を聞くといい。

 このとき、 「 業績が低迷しているのはなぜだと思いますか。 」 などと、大きな質問をして相手の考えを引き出す。これを “オープンクエスチョン” という。

 こうした問いかけに対し、相手が答えた最初の内容が、その人が最も重要と考えているものだ。その後にいろいろなことを聞いたとしても、話の焦点を見失ってはいけない。

 「 これについてどう思う? 」 と、個別具体的な事柄について尋ねるのは、相手の回答を縛ることになり、有効な答えを得られない可能性があるので注意したい。

 誰にインタビューするかも重要だ。得意先だけに聞きに行っても、いい話しか出てこない。最近購入金額が減っている顧客、商品をぱったり買ってくれなくなった顧客なども含め、広くインタビューする。

 社内であれば、クライアント企業が問題視している部門だけでなく、企画、開発、製造、販売、保守など各部門から声を吸い上げる。

 “グラフ化すると疑問点が見えてくる”

 同時進行で、社内にある既存のデータや公開情報などを、どんどんグラフにしていこう。プロのコンサルタントは必ずチャート(図表)にして考える。数値データの羅列から意味を読み取ることは難しいが、グラフにすると、「なぜこんなことが起きているのか?」 と疑問が湧いてくるからだ。

 チャートには、データチャートとグラフチャートの2種類がある。多くの人は、グラフはプレゼン資料用に作るものと考えているが、それは分析チャート。それと同じくらい重要なのが、自分が考え、疑問を持つために作るデータチャートだ。

 たとえば各地域にある支店の営業成績データがそろったとする。これをデータチャートとしてビジュアル化すると、「東京と福岡で、なぜこんなに売り上げの差があるのか」
といった疑問が浮かび上がる。そこで、分析の作業を行っていく。

 二つの地域の格差の原因について、仮説を立ててみる。「競合条件や市場規模など、市場の特性に違いがあるのではないか?」 「営業力が違うのではないか」 「支店長のマネジメントに問題があるのではないか」 などが考えつくだろう。

 そうしたら、それぞれについて仮説が正しいか検証していく。データで裏付けが取れないか調べ、既存のデータで無理なら、アンケートを行うのも有効だ。特に人の問題、風土の問題が核心であるときは、アンケートを取ると実態がわかりやすい。

 こうした作業を繰り返すことで、さまざまな経営課題が裏付けを伴った事実として集まるはずだ。

 だが、まだイシューにはたどり着かない。下の図を見てもらいたい。これは売上が伸び悩んでいる某ブランド店の事例。調査・分析の結果、5つの経営課題が集まったが、結局のところ何が問題なのか、これだけではよくわからない。

 “グルーピングにより本当の課題がわかる“

 そこでグルーピングの手法が有効となる。これは各問題を共通項でくくっていく方法だ。この例では、浮かび上がった5つの問題が 「チャネル」 「商品」 「販売員」 の3項目に要約された。チャネルは多様化している。商品点数は増えている。販売員に求められる知識は高度化している。

 要約することで徐々に問題の本質が増えてきた。これをさらに煎じ詰めると、「商品点数が増えるなか、豊富な知識を持つ販売員の重要性が以前よりも増しているのではないか。」 という、一つの結論に到達する。

 こうした帰納的な考え方によって得られるのがイシューだ。ここまでたどり着けば、プロジェクトは6割方終わったようなもの。後は販売員の育成や採用など具体的な解決策を考えることで戦略がまとまる。そして、それを実行すればいい。

 とはいえ戦略を実行するには当事者である企業側の変わる覚悟が問われる。ダメな企業ほどウルトラCのような解決策を期待しがちだが、戦略を作れば売り上げがすぐに伸びるわけではもちろんなく、企業をインフラ(基盤)の部分から変えないといけない。

 戦略実行の段階において、各部門の縄張り意識や企業風土が阻害要因となることは非常に多い。こうした阻害要因を取り除く作業は、実はコンサルティングを行う中でも、最も難しい部分かもしれない。

 やり抜かななければ、どんな立派な戦略も絵に描いた餅。トップの支援する姿勢や、改革の進ちょく状況をメンバーで共有し、当事者意識を維持する仕組みが支えとなるだろう。

 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 

  グルーピングをすれば本質的な課題(イシュー)がわかる

 『情報は集まったが、結局何が問題かわからない!』


 ● 商品点数が増えてきた
 ● 優秀な販売員が集まらない
 ● 販売員の商品知識がより重要になってきた
 ● 百貨店内店舗より、路面店の販売が拡大した
 ● ネットや通販による購入が増加傾向
       ↓

 『共通項を見つけてまとめると、1〜2つのテーマに絞ることができる』

 ● 百貨店内店舗より、路面店の販売が拡大した
 ● ネットや通販による購入が増加傾向
 ⇒ まとめ: チャネルの多様化

 ● 商品点数が増えてきた
 ⇒ まとめ:  商品の増加

 ● 販売員の商品知識がより重要になってきた
 ● 優秀な販売員が集まらない
  ⇒ まとめ: 販売員の重要性の増加

  >>> 総括 : 商品点数が増えるなか、豊富な知識を持つ販売員の重要性が、以前よりも増しているのではないか。 (イシューの発見) 

 【 実践! 問題解決法 大前研一、斎藤顕一 】


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