2016年08月16日

身体障がい者を持つ親の幸せ

 暑い盛夏の金曜日の夕方、仕事が終わって横浜郊外、綱島の純喫茶でソファーに体を落としてクラシックギターのBGMを聞きながらアイスコーヒーを飲んでいました。すると、店の入り口から70代のご夫婦と40代後半とおぼしき自閉症の子の3人が僕の目の前のテーブルに付きました。

 おそらく一週間の終わりを家族3人でこの純喫茶で食事するのを習わしとしているのでしょう。

手慣れた感じでバナナオーレ3つとピザパン、ポテトグラタンセット、スパゲティミートソースセット、デザートにパフェ3つを注文すると、顔に幾重ものしわの刻まれたご夫婦が楽しそうに話を始めました。

僕が本を読んでいるあいだ、ずっとこのご主人と奥さんはこの一週間に起こった出来事やオリンピックについて楽しそうに話し、息子さんは話こそしないものの、ニコニコと嬉しそうな顔を向けて、バナナオーレを飲んでいました。

そのうち料理が運ばれてくると、息子さんは手慣れた感じでフォークとナイフを使い、ミートソースを美味しそうにほうばっていました。会話には加わっていませんでしたが、家族3人の幸せの空間をこの息子さんはとても楽しんでいるのが伝わってきました。

 障がい者の子どもを持つと、親御さんの抱える心配や苦労は他の親の数倍もあると聞きます。でも、他人と違い、人並の幸せをつかむことのできない自分の子を人一倍いとおしく感じ、深い愛情を注いで育てるそうです。

僕が米銀で働いていたときに、社会貢献活動の委員長を務めていました。さまざまなチャリティ活動を行ったなかで一番、深く感動したのが身体障がい児童を遠足に連れて行くプロジェクトでした。

 有志を募り、日曜日の朝に桜木町の駅で福祉施設の子供たち20人をお預かりし、みなとみらいや山下公園で楽しい一日を過ごしました。何かあってはいけないので、一日中、緊張感を張りつめていました。

外洋船をみながらソフトクリームを楽しそうにほおばる車椅子の小学生の女の子を引率していると、ふだんは考えないことを考えるようになります。

夕方になって任務を終えて子供たちを桜木町駅に連れていくと、そこには親御さんたち20数人が待っていて、僕たちに感謝の言葉を述べてくれました。普段は子供たちの世話で息をつくひまもないが、今日は貴方たちに子供をまかせて、自分たちもたっぷり休養できました。ありがとう、と。

ランドマークタワーで買った人形を嬉しそうな顔で親に見せている子供たちと、子供の喜ぶ顔を見て笑顔を向ける親御さん。

ご家族を駅の改札口で送り出すと、緊張感が解けたのと、ボランティアは子供たちだけでなく親御さんの役にもたったのだと分かり、心なしか涙が落ちてきました。深い充実感に包まれました。

幸いにも自分の子供たちは何不自由なく育ってきました。でも、障がい者を育てている親御さんは人知れぬ苦労を、人の見ていないところでされています。運ひとつで簡単に変わってしまいます。

すぐ向かいのテーブルで、食事が終わった3人家族が、デザートのパフェを笑顔で頂いている姿がとても印象的でした。父親は饒舌で、この家族を幸せにする信念みたいなものを顔に刻ませているのがうかがえました。

時間にしたら1時間強でしょうか。最後に3人がテーブルを立って店を後にする際、息子さんが 「ごちそうさまでした」と、初めて口を開きました。

家族の愛情やきずなの深さを感じた1時間でした。僕には何もできません。
でもこうした親御さんのご苦労が少しでも減るように、お金の心配や将来の心配が少しでもなくなるように、豊かな日本の経済を創っていくこと、税金を払って社会保障システムを続けていくこと。

そして、社会的に弱い人たちにも寛大な心で優しく力を差し伸べることかなと思いました。

 【 好きなことだけして生きる − PHP研究所 】
  − やってみればたいていのことはできる。
    最初の一歩を踏み出すことが大事
    がまんはしない。
    人生は本当は上りのエスカレーター


posted by ヒデキ at 07:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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