2014年10月19日

伝説の経営者たち マーク・ザッカ−バーグ (1)

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 人生の節目が来た瞬間は、誰もが気づかない。成功者と凡人の差が生まれるのはそのあとだ。成功者は、新しいステージにいち早く気づき、確信を持って疾走し始める。凡人は、なかなか気づかないし、気づいても走れない。そして、あとになって 「あの時だ。あの時に走ればよかったのだ。」 と嘆く。

 フェイスブックを創ったプログラマーで同社のCEOであるマーク・ザッカーバーグは、5億5千万人以上のユーザーをかかえ、世界をもっとオープンにするという壮大なビジョンを掲げて現代を疾走している成功者だ。

 しかし、ハーバード大学の学生寮で、学内限定のソーシャル・ネットワーキングサービス 「ザ・フェイスブック」 をスタートさせた時には、そんなビジョンはなかった。ザ・フェイスブックはいくつも手掛けているプロジェクトの一つに過ぎなかった。

 急速にユーザーを拡大し始めてもなお、ザッカ-バーグは別のプロジェクトのほうに期待をかけていたのだ。だが、ある時点から、ザ・フェイスブックは人生を賭けるに値する 「フェイスブック」 に変貌する。

 ビジョンは世界へと広がり、ザッカーバーグの人生は、ランチャーで加速された飛行体のように飛び出していくのだ。それは、アップル創業者でCEOだったスティーブ・ジョブズの人生とよく似ている。

 ジョブズも、新製品アップルTを開発した創業期には、周囲にいるマニア数百人に売ることができれば成功だと考えていた。

 それがある時点から突然変わる。アップルUでパソコンという新市場をつくり出したばかりか、「宇宙に衝撃を与えるほどのものをつくろう」 というビジョンにシリコンバレーを巻き込んでいくのだ。

 ザッカ-バーグもジョブズも、節目となる製品ができた瞬間には、平凡な若者だった。だが早い時期に、自分がやっていることの可能性に気づく。そして、気づくや否や全身全霊を打ちこんで、世界を変えるために急加速をはじめている。

 このスピード感が彼の持ち味であり、魅力なのだ。

 “根拠のある悲観よりは、根拠のない楽観で動け”


 何かをなしとげた人間に共通する特徴の一つは、要する時間の単位がとても短いということだ。マーク・ザッカ-バーグがそうである。交友関係を広げるため、多くの学生がオンライン名簿をつくるように大学に要求しても、大学はいっこうに実行しようとしない。

  ザッカ-バーグは、自分も含めた学生たちがそのことに大きな不満を持っていると知って、こう考えた。 「大学にやらせると2〜3年はかかってしまう。僕ならもっといいものがつくれるし、一週間で立ち上げてみせる。」

 かつてザッカーバーグは、全部の寮から合法、違法を問わず写真のデジタル情報を入手して、誰が一番ホットな人間かを決める 「スマッシュフェイス」 を立ち上げたことがある。そんな彼にとって写真名鑑のオンライン化など、大学の協力なしでも簡単にできる技術だった。

 だが、フェイススマッシュの件で、ザッカーバーグは倫理規定違反、プライバシー侵害などで大学の査問委員会にかけられている。問題は法的なトラブルだった。

 ザッカ-バーグは、ユーザー自身に自分の情報をアップロードさせればこの点も解決できると考えた。「自分について公開したい情報を公開する。」 「その情報には誰もがアクセスできる。」 という二点を満たせばいいのだ。

 プライバシーなどの法的問題に抵触することなく、多くの学生が情報を共有できる。

 アイデアに行きつくと、動きは早かった。2004年1月にドメインを取得し、次に月85ドルでサーバーを借りた。そして2月4日には「ザ・フェイスブック」 をスタートさせている。

 カネも情報も組織も握っている大学当局が時間をかけてもできなかったことを、技術とアイデア以外は何も持たない一学生が、一か月もかけずに実現したのだ。プログラムを書いたのはおそらく一晩だったろう。“一週間” は誇張ではない。

 “自信が自分をスピード化する”

 ハーバード大学当局がオンライン名簿を実現できなかった理由は、容易に想像できる。「時間が足りない。」「予算不足だ。」「解決すべき課題が多い。」 などと言っては先送りしていたのだろう。

 ザッカ-バーグは逆である。 「時間が足りないなら短時間でやる。」 「予算不足なら安上がりにやればいい。」 「課題があるならアイデアを出そう。」 と考えるタイプだ。

 楽観的すぎるかもしれない。だが、こうした楽観主義が時間単位を短くしていくのは事実である。それはグーグルの共同経営者であるラリー・ペイジも同じだ。

 ラリーは、スタンフォード大学の大学院時代に、地球全体のウェブをすべてダウンロードしてリンクの記録を取るというアイデアを思いつく。グーグル検索の原点だが、その時、指導教授に 「どのくらいでできるのか」 と聞かれ、 “2〜3週間”と言っている。

 そんな短期間でできるわけなど絶対にない。楽観を通り越して無謀な見通しだった。だが指導教授は、 「時間が足りない」 とは言わなかった。 「やってごらん」と背中を押し、そこにグーグルのもう一人の共同創業者で数学の天才だったセルゲイ・ブリンが加わることで道が開けたのだ。

 2002年に全世界の大学の蔵書をすべて電子化するプロジェクトに着手した時もそうだった。手始めに、学生時代を過ごしたミシガン大学に声をかけると、「蔵書すべての電子化? 1000年かかる」と反論された。それに対して 「グーグルなら6年でできる」 と反論している。

 確固たる根拠があったわけではないだろうが、現実はほぼラリーの言葉どおりに進んだのだ。

 技術は急速に進歩している。事態はどう転ぶかわからない。協力者が出てくる可能性もある。にもかかわらず、1年単位のことを10年単位で考えたり、週単位のことを月、年の単位で見たりするのはサボタージュであり、実現を放棄するのと同じだ。

 根拠など、そうなくていい。楽観することだ。すると自信が生まれる。ここが大切だ。自信をもってまずやることが、速さの最大要因である。

 (つづく)

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 【 引用: マーク・ザッカ-バーグ 史上最速の仕事術 】



posted by ヒデキ at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 伝説の経営者たち | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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