2010年02月03日

スタープレーヤーでなく野に咲く花として生きる − サラリーマンは金銭的に恵まれた商売

 大前研一氏の本を読んでいて、自分がいかに恵まれた生活をしているのかが良く分かる一節に出会った。
 サラリーマンが如何に恵まれた商売か、を納得させてくれるのである。下記に本文を掲載する。

 ”スタープレーヤーでなく野に咲く花として生きる”

 「まず、最初にあなたがすべきことは、会社に対しての無限の感謝である。会社は、さしたる個性もなく、凡庸な才能しか持ち合わせていないあなたに、月々きちんと給料を払い続けてくれたのである。

 そのおかげであなたはこうやって平穏無事に今日まで過ごすことができた。そのことに対して、心からありがたいと思わなくてはいけない。

 僕は、学生時代に音楽家になろうと思って、明けても暮れてもクラリネットという日々を過ごした人間なので、音楽家になった友達が何人もいる。彼らは凄い能力の持ち主だ。中には10代でコンサートを開いた者もいる。

 だが、音楽家の世界は厳しい。演奏会だけでは食えず、1レッスン5000円から1万円のレッスンを週に何レッスンもこなして生活費を稼いでいる。

 世界で一流ちょい下くらいの音楽家ですら、日本では年収1,000万円も稼げない。海外の交響楽団の常任指揮者の経験がある一流の指揮者でもそうである。

素晴らしい能力の持ち主が、鍛錬の日々を乗り越えて音楽家になった。
にも拘らず、40歳、50歳の段階ですでに演奏活動だけでは生活できないのが音楽の世界である。

 スポーツ選手も似たり寄ったりだ。若い頃、トップクラスのスキーヤーとしてならした知人がいる。彼は今、インストラクターとして引っ張りだこだが、そんな彼らでさえ年棒500万以下である。

 スキーのインストラクターになったとしても、夏の間は大工や板金をやらないと生活できない。

 彼らと比べると、サラリーマンがいかに金銭的に恵まれた商売であるかが良く分かる。サラリーマンなんて突出した能力がなくてもなんとか務まる商売だ。

 特別な才能なしでもできる商売で、才能にあふれた一流の 音楽家や傑出した能力を持つプロのスポーツインストラクターと同じ給料を稼いでしまう。

 だから、あなたは自分がいかに恵まれた環境にあるのかを、思い知るべきだ。

 オレはこんなにいい人生を送るほどの人間じゃなかった、それだけの能力もなかった。にもかかわらず、会社はオレに25年以上も仕事を与え続けてくれた。これがいかにラッキーなことか。もう、感謝、感謝、無限の感謝を会社に捧げるべきなのだ。

 会社がオレを認めてくれない、出世させてくれない、と文句たらたらの人がいるが、ちょっと考えてもらいたい。

 音楽家は、チケットが売れないことを他人のせいにするか?コンサート会場がガラガラだったときに、エージェントが悪かったせいにするか?
 言っているようでは音楽家は務まらない。魅力あるコンサートを開いて客を集められないのは、自分以外の誰の責任でもない。

 プロの世界はそういうものだ。

 もし会社で文句を言いたくなったら、音楽家やスキーヤーの世界を思い起こすべきだ。

  ”縁の下の力持ちになれ”

 あなたがこのありがたい会社で過ごしたければ、縁の下の力持ちになるべきだ。

 どの分野で力が発揮できるかは、自分の能力や経験と相談して決めることになる。自分が長けている分野は、財務なのか人事なのか、総務なのか、それとも技術なのか。それが自分で見えてきたら、今度は得意分野に領域を絞り、そこで何ができるかを考え、実行する。

 経理であれば、今こことここのシステムができていないから、自分はあと10年かけてこのシステムをコツコツと改良していこう。

 あるいは人事であれば、この5人だけでも会社の未来をしょって立つ人材に育てていこう、そのために自分の時間を優先的にこの5人に集中して、いい人材を会社に残していこう、と。

 今、日本の会社に不足しているのは、こういった縁の下の力持ちである。
出世する人というのは、予算を分捕ってきて、ヒット商品を作って、売りまくるといった、目立つことばかりをするスタープレーヤーである。

 だから、自分に任命された仕事を地味なれどコツコツと真剣に取り組む、名もなく美しく咲く野の花のような人材は、意外と少ない。

 会社から安定した給料を頂く以上は、こうした名もなく美しく咲く野の花のような人をめざすべきだ。」

 
 
 
posted by ヒデキ at 19:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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