
急遽決まった衆議院選挙が2週間後と近づいてきましたが、なぜか政策の論点がずれていると思いました。
各党が消費税の時限免除や食品への課税免除など、税収を下げる提案ばかり競っています。税収を下げることで国の財政赤字が拡大するということで、国際投機筋が日本国債売り、円売りを仕掛け、一時日本国債の40年ものの利回りが過去最高の4%台を記録しました。
日本初の金融危機勃発かという連想を生み、株価も下がりました。
小手先の誰でも思いつくような経済対策しか考えないからです。こんな経済対策では伸びません。
ここで日本経済を抜本的に変える痛みを伴う構造改革をしなくてはいけません。
これまでの常識をひっくり返し、痛みを伴う抜本的な構造改革をしないと国もサラリーマンも豊かになれません。
1 中小企業の統合を思い切って進めて規模を大型化する。社員の年収も増やす。
2 語学系人材を増やして輸出比率をドイツ並みにする。
3 労働法を緩和して社員を解雇しやすくする。実績主義に変革して企業の利益率と社員の給与を増やす。
「失われた40年」から脱却するための経済対策は、もっと深く切り込んで痛みを伴う改革をしないと実現できません。なぜ一人当たりGDPが先進国中36位まで下がり、GDP総額でもドイツやインドに抜かれて転がり落ちていくのか。
日本経済の構造を元から見直していかないと解決しません。
一番の問題点は中小企業の数が多すぎること。
336万社の中小企業が日本経済の99.7%を占めています。
全国には社長さんの数が横浜市の人口と同じくらいいるのです。”大阪市の人口の約1.5倍の社長さんがいる“と云えば分かり易いかもしれません。凄い数です。
業界によって従業員300人未満や50人未満(小売業)とまちまちですが、全国の社長さんが多くいて、企業がそれぞれの会社で経理、人事、製造、営業と同じ業務をやるため、国全体で見ると、仕事の重複が多すぎて、スケール・オブ・エコノミーが全く活かせません。
M&Aを活発にして、中小企業の規模を大型化すれば、仕事の重複が避けられ、合理化が進み、利益率が上がり、社員の給料を上げることができます。
そして、国際競争力が付きます。私も小売業の経営者の方々とお付き合いがありますが、中小企業の払える給料ですと限度がありますし、高度なスキルを持った人材を雇う余裕が出てきません。
全国の社長さんには誠に申し訳無いのですが、中小企業の統合による利益率の増大と、社員の給料の増額を行わないと、日本経済は凋落の一方です。
また、GDPを拡大するには海外輸出比率を上げる必要があります。
日本の人口が1億2千万人もいるという中途半端な大きさのゆえ、中小企業は輸出しなくても国内営業だけで満足してしまいます。
ここに問題があります。
人口が8千万人しかいないのにGDPで日本を抜いたドイツ経済はGDPに占める輸出比率が30%もあります。対する日本は17%しかありません。
中小企業の数が多すぎて、皆が国内営業だけで満足しており、語学系人材を雇う余裕が給与的にもありませんから、海外に販売することが出来ない。売上も劇的に増えないし利益率も伸びない。
海外輸出比率を増やすのに大切なのが、日本人の語学力を向上させるというもう一つの弱点です。
訪日客が日本にやってきて一番驚くのが、「カフェのテーブルにスマホを置いたままレジに行ったりトイレに行っても安全。スマホを盗む人がだれもいない。」というモラルの高さと、英語が通じない、ということです。
観光立国を経済対策の主軸に置いたことで、2025年は訪日客が4,000万人を突破し、外国人が日本でお金を落としてくれることで経済が拡大しますが、受け入れ態勢として、語学力が無いからコミュニケーションに不自由するというマイナス面があります。
また、輸出をするのに外国語を使って営業や海外出張、海外展示会販売が出来て、輸出書類を作成するのにも外国語が欠かせません。
ドイツ経済がGDPに占める輸出割合が30%を超えるというのはドイツ人はバイリンガルやトライリンガル(3か国語を話す人)が多いというのが大きいです。
日本もドイツを見習って、外国人労働者をどんどん増やし、街中でも店舗の中でも普通に外国語を使ってコミュニケ―ションをする、むしろ外国人労働者を使って日常英会話力を増やすくらいの価値転換は必要だと思います。
また、車の運転免許の取得率は約50%ですが、国が「英・中国語会話力認定試験」のような資格試験を作って、これを取得しないと大学に進学できないし、就職にも不自由する、くらいの強制力を持たせないと、輸出比率は伸びないと思います。
全国にはものづくりに秀でた金型、プレス機、刃物、精密機械、伝統工芸品などを作る中小企業がたくさんある訳ですから、英語や中国語で営業したり輸出できる人口の母数を増やすことで、ドイツを抜いて世界3位に返り咲くことは可能になるはずです。
3番目が、日本の労働法を抜本的に変えて欧米型の実力主義の労働法に変えることです。日本の労働法は労働者が働く権利を尊重したPro-Employee で、アングロサクソン(英米)の経営者に雇う権利、解雇する自由度をフルに与えたPro-Employer型と抜本的に違います。
不景気になった時に、従業員の1割、2割を経営者の自由裁量で解雇できればV字型の立ち直りも可能になりますが、解雇が労働法でなかなかできないため、実績を上げられない社員も雇い続けなくてはいけません。
緊張感のない、会社にただ60歳の定年までぶら下がろうとする社員が増えて、会社の生産性や利益率が減っていきます。その結果、社員の賃金も上げられず、物価高で苦しむ。
物価高で苦しいのは消費税を10%取られるからではなく、日本の労働法があまりにも従業員に甘くて企業の利益率が低いまま、賃金も上げられないため、という根本原因を直す必要があります。
「実績を上げられない社員は解雇」という欧米型の労働法に変えれば、焼けつくような緊張感の中で必死になって利益を稼ぐ姿勢になりますから、企業の利益率が上がり、給料も上がり、物価高にはベースアップやボーナス増額で対処できるようになります。
いずれにしても、“終身雇用制”に守られて、旧来のぬるま湯が心地よいサラリーマンにとっては一番、痛みを伴う改革だと思います。でも、他の先進国の人たちはこれをやって経済成長をとげている訳ですから、痛みを伴っても実行していくべきだと思います。